【BLEACH二次創作】藍染惣右介編 ~思惑と幻想の先~ 第八話
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力の継承
霊王宮の中心――静寂の中で、藍染惣右介は霊王石の光の前に立っていた。その光は、微かな脈動を繰り返し、周囲の空間を歪ませている。
霊王石の本質
藍染はその場に立ち止まり、静かに目を閉じた。彼の心には、霊王そのものの無価値さを確認した過去の記憶が蘇っていた。
「……霊王、貴様の存在は世界を繋ぎ止めるだけの枷に過ぎない。」
そう呟きながら、彼は手を伸ばし、霊王石に触れた。その瞬間、眩い光が爆発し、藍染の視界を覆った。
霊的対話
「これが……霊王の力か?」
藍染は目を細めながら、霊王石の力が自らの体内に流れ込んでいくのを感じた。その力は、彼の斬魄刀「鏡花水月」にも影響を及ぼしている。
「お前は私に挑むのか? それとも……。」
その時、霊王石の中から低く響く声が現れた。
「力を求める者よ……その力を持つ覚悟はあるのか?」
藍染は嘲笑の表情を浮かべる。
「覚悟? 馬鹿げている。私に必要なのは覚悟などではない。力そのものだ。」
鏡花水月の進化
霊王石から放たれる力が鏡花水月に注ぎ込まれ、斬魄刀全体が青白い光を放ち始めた。それは、単なる進化ではなく、卍解を超越した何かへと変化している証だった。
「……なるほど、これが真の姿か。」
藍染は斬魄刀を握り直し、その感触を確かめた。今や彼の刀は、完全催眠を超え、現実そのものを改変する力を得たかのようだった。
新たな脅威
その時、霊王宮全体が激しく揺れ、天井から巨大な影が現れた。それは、霊王宮そのものが生み出した最終防衛機構だった。
「侵入者を排除する……。」
無数の刃のような霊圧を纏うその影は、藍染を標的として動き始めた。
「また守護者か……。」
藍染は冷静に斬魄刀を構えた。その刃先には、これまでとは異なる圧倒的な霊圧が宿っていた。
「だが、もうお前たちに怯む必要はない。」
次の瞬間、藍染の斬魄刀から放たれた光が影を切り裂き、霊圧が四散した。その力は、かつての鏡花水月を遥かに超えるものだった。
真の卍解「花鳥風月」
「……これが私の新たな力、『花鳥風月』だ。」
藍染は静かに呟いた。その力は、現実そのものを書き換え、彼を霊王を超えた存在へと押し上げた。
「霊王宮よ……これで終わりだ。」
藍染はゆっくりと歩き出し、霊王宮の中心を目指す。その先には、新たな世界を作り上げるための礎が待っていた。