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【BLEACH二次創作】藍染惣右介編 ~思惑と幻想の先~第六話
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霊王宮への再進撃
霊王宮――尸魂界の頂点に位置し、すべての世界をつなぐ「中枢」と呼ばれる場所。その荘厳な領域に、藍染惣右介が再び立った。
霊王宮の異変
藍染は、冷静な目で霊王宮の入り口を見上げていた。
「……なるほどな。霊王を失っても、この宮殿は自ら崩壊することはないか。」
彼の視線の先には、霊王の欠片とされる霊圧が微かに漂っていた。それは、宮殿を支える柱としての機能を果たしているように見えた。
「だが、これもまた一時的なものに過ぎない。」
藍染はゆっくりと歩みを進めた。霊王宮を守るために配備されていた零番隊は、すでに全滅している。しかし、宮殿内部には未だ未知の霊的防衛機構が動いているという感覚があった。
霊圧の乱流
突如、霊王宮全体が微かに揺れた。宮殿の奥から放たれる霊圧が、空間全体に波紋を広げたのだ。
「……面白い。」
藍染は立ち止まり、その霊圧を感じ取る。通常であれば、死神一人では到底耐えられないほどの霊的圧力だ。しかし彼は、そんな状況でも冷静そのものだった。
「霊王宮の霊圧……これが奴らの本質か。」
彼の目には、霊王宮そのものが「霊王の力の名残」で形成されているように映っていた。
未知なる防衛機構
「侵入者……排除……。」
不気味な声が響くと同時に、巨大な霊的構造物が藍染の前に現れた。それは、霊王宮の防衛機構そのものであり、霊王の力を模倣した存在だった。
「私を排除する? それは誰の意思だ?」
藍染の声には、冷ややかな笑みが混じっていた。
防衛機構は、無数の刃のような霊圧を形成し、藍染に向けて解き放った。その速度と威力は、通常の死神であれば回避する術すらないだろう。
真の卍解への伏線
藍染は鏡花水月を抜き放つことなく、ただ手をかざした。
「ふん……霊王の残滓が私に挑むか。面白い。」
防衛機構の攻撃が藍染に到達する直前、霊圧が突然霧散した。それを可能にしたのは、彼の圧倒的な霊圧の制御能力だった。
「だが、この程度では私を試すことすらできない。」
藍染はさらに奥へと進む。彼の中で、ある確信が生まれつつあった。
「……この霊王宮の霊圧が、私の斬魄刀を進化させる鍵となるかもしれない。」
彼の斬魄刀「鏡花水月」が微かに震えるように反応している。それは、卍解の枠を超えたさらなる進化の兆候だった。
※BLEACH久保帯人先生および集英社の著作物です。この作品はファンによる非公式の二次創作です。