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【BLEACH二次創作】藍染惣右介編 ~思惑と幻想の先~第七話

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次なる礎


霊王宮の深部――その静寂の中、藍染惣右介はなおも進み続けていた。前方には、かつて霊王を支えていたとされる「霊王石」の残滓が漂っている。その微かな光を目にした藍染は、静かに足を止めた。

「……これが霊王の力の残りか。哀れだな。」

彼の声は冷ややかで、そこに情けのような感情は微塵もなかった。


霊王石の残滓

藍染が手を伸ばすと、霊王石の一部が僅かに震えた。すると周囲の霊圧が異常な形で収束し、空間が歪むような感覚が彼を包み込む。

「この霊王石……まだ力を持っているのか。」

藍染はそのエネルギーを感じ取りながら、静かに目を閉じた。その感覚は、霊王そのものとは異なるが、それでも尸魂界を支える力としての名残を感じさせるものだった。


霊王の亡霊

その瞬間、周囲の空間が激しく揺れ動き、無数の霊的な影が現れた。それらは、まるで霊王の意思が宿ったかのように動き始める。

「侵入者を排除せよ……。」

影の一つが低く響く声を放つ。それは防衛機構の延長線上にある存在であり、霊王の意志の名残を反映したものだった。

藍染はその声にわずかに目を細めた。

「侵入者? 私がか? ……哀れなものだ。お前たちは、霊王の奴隷であり続けるつもりか。」


新たな戦いの幕開け

影たちは一斉に藍染に向けて霊圧を放ち始めた。それは霊王宮の守護者たちの力を遙かに超えるもので、空間そのものを破壊するほどの威力だった。

しかし、藍染は冷静そのものだった。

「鏡花水月を使うまでもない。」

彼は一歩前に出ると、その霊圧の奔流を片手で受け止めた。彼の周囲には見えない壁のような霊圧が形成され、攻撃はすべて弾かれていく。

「……だが、お前たちを完全に消すには、少々力がいるか。」

藍染はゆっくりと斬魄刀を抜き放ち、その刃先に自身の霊圧を注ぎ込む。その動きは美しく、同時に冷酷なものだった。


霊王石の力を得るために

戦いの中で藍染は、自らの斬魄刀が微かに震えるのを感じた。その震えは、「鏡花水月」が新たな力を得ようとしている兆候であることを彼は理解していた。

「霊王石……お前の力は、私の斬魄刀をさらに進化させる鍵だ。」

藍染はそう呟きながら、目の前の敵を次々と切り伏せていった。彼の動きは優雅でありながらも、冷酷そのものだった。

※BLEACH久保帯人先生および集英社の著作物です。この作品はファンによる非公式の二次創作です。

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