【BLEACH二次創作】藍染惣右介編 ~思惑と幻想の先~ 第十話
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終焉の選択
霊王宮の中心――巨大な扉が、眩い光を放ちながらゆっくりと開かれた。藍染惣右介は一歩ずつその中へと足を踏み入れる。扉の奥には、異質で膨大なエネルギーが渦巻き、空間そのものが歪んでいる。
霊王の意志
「ここが……霊王の力の源か。」
藍染はその光景を静かに見据えた。中心には、霊王そのものの意志が宿ると言われる「核」が浮かんでいた。それは、純粋なエネルギーの塊であり、全ての世界を繋ぎ止める存在だった。
「だが、その存在は不要だ。」
藍染はそう呟き、斬魄刀「花鳥風月」をゆっくりと構えた。
霊王核との対話
「藍染惣右介……お前は何を求める?」
霊王核から響く声。それは人間の声ではなく、空間そのものが語りかけるような響きだった。
「求める? 私が求めるのは秩序だ。だが、それは貴様のような存在ではなく、私が創り出す新たな秩序だ。」
藍染の声には、迷いの一切ない確信があった。
「お前の行いは、破滅を招くだけだ。」
「破滅? それは貴様の視点での話だ。新たな世界に過去のルールは必要ない。」
最終決断
藍染は「花鳥風月」を振りかざし、その刃に全霊圧を集中させた。その瞬間、周囲の空間が揺れ、霊王核が激しく反応を始めた。
「これが私の答えだ。」
藍染が剣を振り下ろした瞬間、霊王核が激しい光を放ち、空間全体が白く染まった。その中で、藍染は微動だにせず、ただその力を受け止めていた。
新たな秩序の兆し
光が収束し始めたとき、霊王核のエネルギーが藍染の体に取り込まれていく。その瞬間、彼の姿が変化を遂げた。彼は霊王の力を取り込み、新たな存在へと進化していた。
「これが私の望んだ力だ……。」
藍染は静かに目を閉じた。だが、そのとき、背後から聞き覚えのある声が響いた。
「……藍染。」
その声の主は、黒崎一護だった。彼の目には、これまで以上の覚悟と決意が宿っていた。
最後の戦いの幕開け
「黒崎一護……。」
藍染はゆっくりと振り返った。そこには、花鳥風月を超える力を秘めた新たな剣を構える一護の姿があった。
「貴様はいつもそうだな。だが、今の私を止められると思うか?」
「止めるさ……お前のその力も、世界も!」
一護は全霊圧を込めた天鎖斬月を構え、藍染に向けて一歩踏み出した。