【BLEACH二次創作】藍染惣右介編 ~思惑と幻想の先~ 第九話
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幻想を越えて
霊王宮の最深部――その静けさの中に、微かに不協和音が響き始めていた。藍染惣右介は、その中心で新たな力を手に入れた「花鳥風月」を握りしめながら、目の前の空間を見据えていた。
未知の存在
霊王宮を揺るがす強烈な霊圧が、遠くから伝わってくる。それは、霊王の力とは異なる性質を持つ、何か別のものだった。
「これは……霊王の名残ではないな。」
藍染は冷ややかに微笑む。彼の目の前に、霧のような影が形を成し始めた。それは、人の姿を模していたが、その霊圧は人間のものではない。
「貴様は何者だ?」
影は無言のまま、わずかに動いた。その一挙手一投足が空間全体を揺るがし、周囲のエネルギーを吸収していく。
霊王宮の意志
「侵入者……お前は世界を壊す存在……。」
低い声が影から響いた。それは、霊王宮そのものが藍染に対して語りかけているようだった。
「世界を壊す? そうかもしれないな。だが、お前たちの守るこの『世界』に価値があるとは思えない。」
藍染は冷ややかに斬魄刀を構えた。その刃先からは、霊圧が渦を巻きながら放たれている。
花鳥風月の真価
影が藍染に向かって突進する。その動きは異常な速度で、藍染の背後に一瞬で回り込む。しかし、次の瞬間には影の攻撃が空を切る形で止まった。
「……無駄だ。」
藍染は一歩も動かず、影の攻撃を無効化していた。
「花鳥風月……現実を私の思い通りに変える力だ。」
彼の言葉に続いて、影の霊圧がまるで溶けるように霧散した。それは、藍染が自身の力で影そのものを現実から消し去った証だった。
真の力への到達
「これが霊王を超える力だというのか……。」
藍染は目の前の景色を静かに見つめた。その先には、さらに巨大な力の存在を感じさせる扉があった。それは、霊王宮の中心に続く最後の障壁だった。
「私が成すべきことはただ一つ。この世界を作り変える。それだけだ。」
彼は躊躇なくその扉を開けた。その先に待ち受けているものが、全ての運命を決める舞台となるだろう。