まあお訳古今集 恋はいちごを添えて弐
こんにちは、毎度お騒がせしております自称作家の あまおう まあお です!
日課の古今集のいちご訳がたまってきましたので、第弐弾公開します!
第壱弾も別に好評を博したわけではないんですけど、あるので、やります。
意訳っぷりが、ごく一部の方には好評なんですよね。とりあえず恋歌終わるまではやってもいいかなあと考えていますが、どうしましょうかね?
では今回もキリのいいとこまで、一気にいきます! あんまり信用しないで楽しんでみてくださいね! このへんは全部、詠み人知らずです。
恋歌一
片糸をこなたかなたによりかけて あはずは何をたまのをにせん
ひとはみな細く頼りない繊維でしかなくて。たぐり合わせて縒(よ)ってみたって、あなたと逢えなきゃ、いのちに、なれない……。
#いちご訳
この歌、知ってる! 縦の糸はあなた、横の糸は私! というわけで女性として訳しました(この先しばらく詠人しらず)。みゆき姐さまがこれをふまえているかは分かりませんが、現代と古今、それこそ糸でつながったような命の奇跡を感じます。私はこれを大和心と呼んでいますよ……。
#それが仕合わせ
恋歌一
夕ぐれは雲のはたてに物ぞ思ふ あまつそらなる人を恋ふとて
暮れかかった雲は紅く染まり、僕はそんなことでもあなたを思い出す。たとえそれが空の果てでも僕はあなたに、逢いたい。
#いちご訳
この歌、いいですね……全部の言葉が美しく刺さります。でも、意味は分かりません。身分の高い女性へと書いてありましたが、この情景……私は死別のように感じました。本当のことはもう誰にも分からない。そして、言葉だけが。
#千年の恋
恋歌一
刈りごもの思ひ乱れてわれ恋ふと 妹しるらめや 人しつげずは
僕の心がこんな風に思い乱れてどうしようもないこと。みんな分かっているのに、君は気づきもしないんだね。いっそのこと、誰か伝えて……。
#いちご訳
「かりこもの思ひ」が優勢みたいなんですが、私が見ている本は「刈りごも」と書いてあるので、採用しました。岩波文庫です。
昔から草食男子、いたみたいですね。そしてニブい女の子も。もう告げてしまおうかやめようか、いやでもだって僕は。
#いいから言って来いよ
恋歌一
つれもなき人をやねたく 白露のおくとはなげき寝とはしのばん
あなたなんて嫌い。白露が降りるまで待ったって来ないから。起きては嘆き寝ては想って……私ってバカみたい。
#いちご訳
白露を「置く」「起く」のためだけの言葉とするにはもったいないので、女性の歌にしてみました。雰囲気出ますね……! この時代の女性は待ってばかりで大変ですね。現代人の皆様はガンガン、特攻してもいいんですよ?
#そして誰も来ない
恋歌一
ちはやぶる賀茂の社のゆふだすき 一日(ひとひ)も君をかけぬ日はなし
賀茂神社にお参りしました。神官のタスキとかけまして、あなたへの想いと解きます。そのこころは、一日も欠かさず「かけております」……。
#いちご訳 #迷訳
すみません(笑)なんか愉快なおじさんが頭に浮かんでしまって迷訳が出来てしまいました。タスキだけでなく、この歌も「かけて」ますよと、言いたいのかなと!
本居宣長先生が「ゆふだすき」と「言ふ」「出す」もあるとおっしゃったという情報もあるんですが未確認なので訳出せず。
#情緒が迷子
恋歌一
わが恋はむなしき空にみちぬらし 思ひやれども行くかたもなし
虚空のうつろが満ち満ちて僕の恋で溢れたならば、次に生まれたこの思い、どこへ向かえばいいのでしょうか。あなたへの愛はこの空よりも、もっと大きいものですよ。
#いちご訳
これはいい! おおらかな感じで、どことなく品の良さを感じます。むなしき空に仏教のかほり。でも僧侶ではなさそうですが……まさかまさか? なんだかこの方のことが知りたくなります。そういう意味で、うまい! 即返歌しますね!
#人柄で圧勝
恋歌一
駿河なるたごの浦浪たゝぬ日はあれども 君を恋ひぬ日はなし
たとえあの有名な田子の浦に浪が立たない日が来ても、僕が君を恋しく思わない日は絶対に来たりしません。
#いちご訳
不可能を詠んでやたら話を大きくする歌ってある気がします。浪が立たない時間=凪はあっても、立たない日があると困るのでそのように訳しましたが、写真でみるとかなり穏やかそうな景色ですね。浪の立たない日、あるかも!
#行って海鮮食いたいです
恋歌一
夕月夜さすやをかべの松の葉の いつともわかぬ恋もするかな
きれいな夕月夜なのです。そっと照らす月の光が緑色の松の葉に触れています。松は年中緑だから、あまり季節を感じませんね。僕の恋も、それと同じです。春夏秋冬あなたが好きです。
#いちご訳
風流! 言葉がなだらかに続いて恋へと収束します。独り言のような趣はありますが、それでここまで絵的な情景を詠むものかな、という感じなので手紙のように訳してみました。
これは返歌来るはず!
#とても短いラブレター
恋歌一
あしひきの山した水の 木隠(こがく)れてたぎつ心をせきぞかねつる
山かげの水は木にうまく隠されていて見えないだろう。オレのこの思いもポーカーフェイスの裏で逆巻いてもう、オレにだって堰き止めきれない。
#いちご訳
オレ様系! いたんですねえ、希少種。たまにはこういうのも新鮮ですね。雅ばかりでなく、ちょっと「ますらを」ってるのもありますよと(そうか?)。ドラマチックだとは思いますが相手によって好き嫌いがはっきり分かれる歌でしょうね。
#私は遠慮しまーす
今回はここまでにしますね。第参弾もそのうちまとめます!
人気なくてもやりますよ私は。最近、和歌が趣味になりつつあるんです。
そんな雅で、あはれな自称作家の正体はこちら。フォロワー募集中なんですけど、全然増えないですね! 言わないより言った方がましだと思うので、皆さんガンガン、フォローしてね☆
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なぜかわからないが未だに読まれ続ける少しも雅じゃない小説、置いておきますね。
もう間もなく新作も出す予定なんですが、ぶっちゃけこれが読まれすぎて、越えられる気が今からひとつもしていません!
やぶれかぶれの あまおう まあお、よろしくお願いいたしまーす!