轟さん、おつかれさまでした。

いま、宝塚ファンで轟さんの現役時代を知っている人はどのくらいいるのだろう。

私のはじめての宝塚、みたいなのが流行ってますが(もう廃れた?)

花組 ベルばら~フェルゼン編~(大浦みずき)
月組 ミーマイ(剣幸、こだま愛)再演時
雪組 ベルばら~アンドレ編~(杜けあき、鮎ゆうき)
星組 ベルばら~フェルマリ編~(日向薫)
宙組 そんなもの存在しない。出戻ってからだと「王妃の館」のような気がする

という、ほぼベルばらな初観劇歴を持つ私。ちなみに、涼風さんのお披露目公演の「ベルばら~オスカル編」も見てます。どれだけベルばらだらけw それぞれの公演をやってる期間を調べたら、結構長いことファンをやってたな。その当時は「おとめ」だかに本名も載ってて(個人情報保護とかない時代w)、宝塚ファンは、芸名、あだ名、本名をセットで覚えるのが常識だった。もちろん、私も覚えましたが、いまは全部忘れてる。もっとびっくりなことに、花組と星組の娘役トップすら忘れてる。若いころに覚えたことは忘れないとか、大嘘だから! このころはまだ十代だったんですけどね。忘れるよ、そんなの。脳の記憶容量なんて限度があるんだから、興味ないことは忘れていきます。ちなみに、その後の男役トップは覚えてるけど、娘役トップはものの見事に忘れてる。娘役トップに興味がなかったわけじゃないんですけど。なかったのか…?

さて、轟さんです。私は雪組にきてからの轟さんしか知らないです。「黄昏色のハーフムーン」が大好きでした。この公演を調べると、たまさまの最後のショーの演出家である中村暁先生の大劇場デビューなんですね。勝手に親近感。

「黄昏色のハーフムーン」で高嶺ふぶきさんと二人でマフィアの下っ端(たぶん)をやってて、杜けあきさんと別れて旅立とうとする鮎ゆうきさん(大好きだった。かわいかった)を励まそうとするところで、客席に背中を向けてるから二人でふざけまくってるところが本当におもしろかった。何をやってるかはわからないですけど、二人の悪ふざけが終わったあとの鮎ゆうきさんのセリフはいつも声が震えてたw 笑いを一生懸命こらえてた。こういうことは覚えてるので、記憶容量は大事なところで使います。これが大事なのか、という質問は受けつけません。

いまはどうか知りませんが、昔の宝塚は「いたずらをしかけるのは当たり前で笑う方が悪い」というのが常識でした。なので、轟さんも高嶺さんも当たり前のことをしただけです。そこ以外は真面目にやってたよ! たぶん。

話はわき道にそれますが(いつものこと)、私が一番笑ったいたずらは「ベルばらの毒を飲むグラスに醤油を入れてみた」ってやつです。どこの組かは忘れましたが、オスカル役の人が引っ込むなり「醤油だけはやめて!」って言って、みんなが爆笑したというところまで含めて好きです。昔はこういうことも平気でやって、それを言ってたんですよね。

轟さんがトップになるときには私は宝塚から離れていて、たまに1000デイズの前を通っては、おなじくファンだった妹と(これも何度か言ってますが、私は紫苑ゆうさん、妹は日向薫さんのファンでした。でも、そんなに星組見にいってないのはなぜw)、宝塚いきたいね、と言いながら、チケットを取ろうともしてなかったです。心が離れるって、そういうこと。別の好きなこともできたし、私生活もいろいろあったし、宝塚に割く時間なんてなかった。

たまには宝塚を見にいきたいね、を実際に行動に移すのはそれからはるかに時間がたったとき。もちろん、だれ一人知らないです。

轟さん以外は。

え、轟さんってまだいるの? うそ、トップさんから専科にいったんだ!

そのぐらい、なんの知識もなく戻ってきました。

それでも、知ってる人がいる、というのはとても心強く、轟さんは、私にとっては、過去といまを結んでくれる人でした。

昔と容貌も変わってなく、いまだにとてもおきれいで、轟さんを舞台で拝見するとほっとしていました。

これからは、そういうこともなくなるんですね。寂しいです。

私が最初に好きだったときにもいて、戻ったときもいて、今度は私が見送る番になるとは思っていませんでした。

退団会見はとても轟さんらしく、最後まで宝塚の美学を貫くその姿が潔くて、少し泣きました。

轟さんの全盛期にいなかった私が何か言うのもな、と思いますが、下級生だったころに抜擢されていく様子は見ていました。杜けあきさんがトップだった、あのころの雪組が大好きでした。

長い間、本当におつかれさまでした。

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