しゃべる室外機
統合失調症末期の話です
出社し、いつものように現場にいくと
目の前には古い室外機がある。
室外機は古くてアンティーク調。
私にとっては好印象。
だがいったん
回りだすとガラガラとうるさいのだ。
またいつものように室外機が回りだした。
「うるさいなぁ」と思いつつ
仕事を初めた
そのとき幻聴がこう言った
「その室外機をずっと見ておけ。面白いことが起こるぞ」
コイツは何を言っているのだと思いつつ
室外機を眺めていた。
すると次第に室外機の音が言葉に変わっていった。
そして私を罵倒し始めた。
「なんだこれは?」
私は心の中で叫んだ。
すると幻聴が、「やっちまったな。それをやっちまうと
町中の音が言葉に聞こえてくるぞ。」
それからというもの、すれ違う車の音、エアコンのファンの音
すべて言葉に聞こえてきた。
車に乗っていても、エアコンをつけるだけで何かをしゃべっている
妻に語りかけた。
「車にも盗聴器がついている。」
この妄想の世界に取り込まれた私は、死を意識するようになりました。
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