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本好きの下剋上 疑問推測編~DNA鑑定並のメダル登録~

フェルディナンドの出生の秘密は最終巻近くなるまで色々情報が絞られていました。最初の方で分かるのは正妻であるヴェローニカの子供ではない妾腹であること。その為に酷く憎まれて育ったこと。
実母のことは生存さえあやふやな記載でした。
ふぁんぶっく8のQ &Aではっきり回答されるまでエーレンフェスト先代アウブであるアーデルベルトの実子であるかどうか不透明でした。
なんせ遅れてきたファンだったので、よく分からないけどもしかしてはっきり実子なんじゃ、と回答が出る前に思うに至った経緯を今更ですが整理してみました。どっちかというと作者が如何に読者への印象操作が巧みであるかという話かもしれません。

第78話 フェルディナンド視点 
https://ncode.syosetu.com/n4830bu/78/
≫私は成人するまで貴族社会で育った。愛妾の子であったが(略)
≫しかし、本妻は異母兄の補佐をする私が気に入らなかったようで、父の死後、私はあからさまに排斥され始めた。(略)実の母親は当てにならず

173話 プロローグカルステッド視点 https://ncode.syosetu.com/n4830bu/173/

≫フェルディナンドは領主の異母弟として生まれ、優秀すぎるからこそ疎まれて生きてきた。
≫領主の母親には嫌がらせをされ、実の母親は庇ってくれるわけでもなく育ってきたフェルディナンドは基本的に女性を信用していないところがある。

これらの説明では後ろ盾として弱い貴族である実母がどこかで生存しているかのような印象を読者に与えています。
第四部でアダルジーザ離宮の話が出てきた時(えええ、私は実母は生きてるとどこかで思っていたのに?)と混乱してこれらの記載を再確認しました。確かに嘘ではない。特にカルステッドから見ればフェルディナンドの実母のことは知らないだろうから。
だけどもこのあたりの記載は明らかに印象操作ですね。
ミステリではよくある手法なのですが、本編中の伏線にさらに注意深くなった気がします。

436話「選択」https://ncode.syosetu.com/n4830bu/436/で隠し部屋でフェルディナンドがローゼマインにアダルジーザ離宮と自分の出生の秘密を語り、その後も明らかになっていく離宮のランツェナーヴェの姫達の扱いを考えると、実父がアーデルベルトというのは血のつながりとして確定したものなのだろうか?という印象が読者に生まれていきます。
≫「父親が引き取るのならば、生き延びることもできるが、多くの場合は引き取りを拒否する。男側からすれば本当に自分の子かどうかもわからぬ上に、普通は妻がいて不和の元になるからな」

フェルディナンドの語りの中でも「本当の子供かどうか分からぬ」とあります。読者はここで高級娼婦的扱いの母の子供であるフェルディナンドはアーデルベルトと血のつながりははっきりしていないと誘導されていたと思います。さらにはセラディーナが魔力の属性を平均的に増やせるようにしていたなどの記載もありました。
「望みのままに」でもフェルディナンドの語りでは「女神のお告げ」によってエーレンフェストが「領地の利となる」から引き取ったのだとなっています。先代は自分を息子だと言ってくれたが、ジルヴェスターやボニファティウスを優先していた、といった記述もありました。

ですが、「ふぁんぶっく5はみ出たQ&Aコピーシテペッタン」https://ncode.syosetu.com/n4099cd/19/

≫Q第四部Ⅷで前アウブ・エーレンフェストはフェルディナンドを、時の女神の導きだ、と引き取っていますが、何か確証やお告げみたいなものがあったのでしょうか。Aさすがに何もなく、明らかな騒動の種を引き取りはしません。

私がここを読んだのはだいぶ後になってでしたが、確かにヴェローニカの反対を押し切って引き取るには王命といえどお告げといったふわっとしたものだけでなくもっと明確な根拠があったのでは?と思えました。
そこに『ふぁんぶっく7』Q&Aで「フィリーネは亡母の子として(メダルで魔力の親子確認して洗礼式受けた」と出てきました。
(あれ?メダルって魔力で親子の鑑定が出来るんだな…)と思い、
さらに同『ふぁんぶっく7』Q&Aでは
「アダルジーザでは生まれた子は魔石の管理の為にツェントによってメダル登録がされ、魔力のつながりが確認される」という記載も出てきます。
フィリーネの件とここを合わせて考えたら、ツェントはどのアウブの実子かメダル登録時に魔力のつながりで確認できているのではないか?
現世で言えば血液によるDNA鑑定並なのでは?と思うに至りました。
とすれば、エーレンフェストが女神のお告げで引き取るとなった際に実はツェントによってメダル登録による魔力のつながりの確認がされていたのでは?と考えました。
そこにドラマCD9レポート井上和彦さんのところに香月先生の重大なコメントが。https://tobooks.jp/booklove_dramacd9/contents_03_1.html

≫「先代ツェントの声を作ります」このキャラ、ドラマCDでは回想にちょっと出てくるだけですが、結構重要人物なんですよ。フェルディナンドがアダルジーザの離宮を出てエーレンフェストへ移動する許可を出した人物。

ここを読んだ時に(そうか!時の女神の使いとして時をかけたローゼマインは王命を出させるためにツェントに会いに行ったんだ!その際に実子確認もされて王命は出された!)と推測するに至りました。
それで、何度か小出しにしてぶつぶつ妄想を垂れ流していたのですが、ふぁんぶっく8の質問集めでどなたか質問されたみたいで(自分はよく勝手が分からずにいたので;あんまり直で質問しようと思わず)
「ふぁんぶっく8」にフェルディナンドはアーデルベルトの実子であると魔力のつながりで確認されて洗礼式を行ったと回答がありました。
完結に向けてそこももう明らかにして良い事柄となったのでしょう。
私以外の方も同様な内容を呟いていたかどうかよく知りませんが、何回かこの辺り色々推測を垂れ流していたので(↓2023年7月以前にもちょこちょこと、、)ほっとした次第でした。
ちなみにフィリーネが亡き母とのつながりで登録確認して洗礼式を受けたのは、家督という財産に関わる面があるからだと思います。
現世でもDNA鑑定などは相続関係で出てくることですから;

(2024年9月25日追記)
フェルディナンドについて、読者もかなり分かってきたところで出てくる第5部5ボニ視点SSより↓
≫フェルディナンドも特殊な生い立ちだ。洗礼式前に母親を失ったため後ろ盾のない領主一族として城に入った。第一夫人のヴェローニカに疎まれ領地内の貴族とはろくに交流できずに育ち、父親の死を機に神殿に入ったのだ。

五部5では実母のことはもうはっきり亡くなったと出してる。もう情報としてはっきり出して良くなったから。
ボニファティウスはアダルジーザ離宮にフェルディナンドを引き取りに行くのに同行してる人(『ふぁんぶっく6Q&A』)なのでフェルディナンドの事情には身内の中で一番詳しいんですよね。
フェルディナンドの引き取りを反対したとあったし、アタリがきついのも離宮のことをよく分かっているから;

https://twitter.com/haneusaamano/status/1838548248333832657/photo/1

https://twitter.com/haneusaamano/status/1675481057498652672?s=61&t=luUqP6RzjtKyXqNP0CSA6Q

https://x.com/haneusaamano/status/1770434670519521589



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