Starting Over
今回のコラムで6回目の発信となるこのマガジン。
そろそろなぜ書き始めたかについてお伝えしておこうと思う。
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2019年9月29日 日曜日、まだ小洒落たテナントも開いていない午前9時半過ぎに僕は渋谷ヒカリエの34Fにいた。
『知って、届けて、思い合う〜やさしい医療がひらく未来』というトークイベントに参加するためだ。
100席用意された枠は、月末の日曜日の午前10時から午後3時半という長丁場の企画にもかかわらず2時間で完売した。
登壇者は、医師・研究者の山本健人氏、堀向健太氏、大須賀覚氏、市原真氏。
さらにTwitterフォロワー16万人を誇るWebメディア編集長の“たられば”氏が加わり、withnewsの朽木誠一郎氏、水野梓氏が脇を固める。
詳しくは“ヤンデル先生”こと市原真氏がまとめられたこちらのマガジンを御覧いただきたい。
生命保険の仕事をするうえで医療情報は欠かせない。
そして医療は日々進化し、情報は塗り替えられる。
その中で科学的根拠に基づかない偽医療情報も溢れかえっている。
大須賀覚氏の言葉が危機的状況を熱く伝えてくれる。
不適切な医療情報は患者の治療機会を奪い、命まで奪ってしまう。
イベントでは『日本の医療関係者に危機感が薄いのは病院に来ない患者の情報を集約する術がないから』という話も出た。
たしかに今のシステムでは来院する患者以外の情報を得ることはできない。
そこに詐欺的医療情報を意図的に流し、藁にも縋ろうとする患者やその家族に怪しげな商品や書籍を高額で販売し金銭を騙し取ろうとする温床が生まれる。
だからこそ正しい医療情報を発信し続け、偽医療情報を駆逐するシステムが必要なのだ。
しかし………僕はふと思った。
病気にかかってしまった人は情報を求めているので、正しい医療情報が広く行き渡れば偽情報に翻弄されることも回避しやすくなるだろう。
では、病気ではない健康な人たちは?
健康であればあるほど真偽以前に医療情報自体に関心がない。
健康な人たちにも正しい医療情報を届ける必要はないだろうか?
僕ら生命保険業界の人間は、万が一が起こってしまったときにリスクヘッジする手段の一部を保険を通じて提供することが使命だ。
正しい医療情報が広まり標準医療に皆が信頼を寄せ頼ることとなったときに、経済的理由から治療法の選択が限られる状況は避けたい。さらに医療費捻出のためにご家族の将来の選択肢が狭められることも避けたい。
であれば、健康なうちに正しい医療情報を伝え、必要なリスクヘッジについて考える素材を提供することは本来業務と言えるのではないか?
そしてそれは情報発信を強化しようとしている医療者の支援にもなり、また契約者やその家族の役に立つことにも通じるのではないか?
医療者と違って今のところ病院に縁のない健康な人に会う我々の活動は、正しい医療情報に触れる裾野を広げることに繋がらないだろうか?
生命保険協会に働きかけ、情報発信の専門部隊を………
ここまで考えて思考が停止する。
まてまてまてまて.......
話がデカくなりすぎている。
ひとりの元生命保険会社社員ができることはたかが知れている。
立ち位置を見失ってはいけない。
俯瞰で見ることは大切だが、前線で動くのは自分だ。
変革を語るときに『実績』が必要なのはなにも医師や研究者だけではない。あらゆる業界において問われる。
残念ながら一個人事業主である僕に『実績』は無い。
であれば自分にできることから地道に働きかけていくことしか方法はない。
まずは生命保険についての理解を深めてもらうことから始めよう。
信頼を得なければ何を発信しても意味がない。
そのうえで正しい医療情報についても触れていこう。
クライアントにも提案してみよう。
伝える人間は多いほうがいい。
できることを地に足をつけて愚直に進めていくしかない。
うむ。。。やっぱりそうなるよな。
まあこんなに文字数を無駄に消費する前から理解ってはいたのだが。
躓くこともあるだろうが、幸いなことに追いかけるべき発信者たちは明確になった。
そしてトークイベントの翌々日、発信のベースを作るために眠らせたままだった note を立ち上げることになる。
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今後の発信については少しペースを緩め、週一回程度の予定。
あくまでもメインは生命保険について理解を深められるものとすること。
医療情報については安易に発信しないようエビデンスとナラティブのバランスを常に意識したい。
また個人的見解を加えないよう細心の注意を払うこと。
専門家が開示した情報をそのままに伝えることが鉄則だと考える。
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最後に。
勝手にリンクを貼ってしまった市原先生、大須賀先生、申し訳ありません。
どうしてもおふたりの言葉や想いを伝えたいと思い貼らせていただきました。
ご不快であればリンクを削除し、表現を変えますのでお許しください。