見出し画像

「僕のちんこにピアス開けてください」2

「開けてみたいなって思いました」
「痛いことが好きなの?それとも所有されたいの?」
「どちらもです。支配されたいです」
「そう、今身体にピアスは開いてる?」

 ピアスか、そういえば開けたいなんて思った事が無い。今日、ついさっき、初めて思った。今までごく一般の高校生で、スポーツに打ち込んできた日々だった。ピアスを開けたり、髪を染めたり、そういうことに興味を持ったことが無かった。

「実は開いてないです」
「そう、初めが性器ピアスって、すごい勇気ね 笑」

 嬉しい。笑ってくれた。しかも褒めてくれた。嬉しい。嬉しい嬉しい。
もっと話したい。あなたを知りたい。あなたに興味を持ってもらいたい。

「ちんこにピアス開けたことありますか?」
「性器には無いわ、だからもし開けることになってもボディピアスを開けるプロがいるスタジオに連れてくわ。年齢聞いても平気?」
「年齢は18歳です」
「若いじゃない、成人になっても気持ちが変わらなかったら連れてってあげるわよ」
「嬉しいです、ほんとですか? 冗談でも嬉しいです!」
「本当かと聞かれれば嘘では無いけど、2年って長いからね、その時に気持ちが変わってなかったらね」
「開ける時に手を握りながら痛みに耐えたいです」
「君、それ素で言ってるの? とんでもない殺し文句ね。いいわよ、握っていてあげるわ」

 手を握る許可がもらえた。こんな幸せなことがあっていいのだろうか。何がどうなって殺し文句になったのか俺にはわからないが、とにかく良かった。生きていて一番嬉しい。早く会いたい。今すぐこの人の視界に入りたい。

「今すぐにでもピアス開けたいです、見てもらえませんか」
「二十歳すぎてからね」
「もうちんこも大人です、問題ないです」
「君、今高校生? 二十歳になるまでに色々な経験をしなさい。恋愛をして女性と付き合ったり、別の女性とSMをして離れるのも、のめり込むのもいい、大学生活を楽しんで、バイトをして、色んな経験をした上で二十歳になってその時にまだちんこにピアスを開けたかったら連絡してきなさい」

 何で、何でこんなこと言うんだろう。あなたに出会えたのは俺の運命で、この気持ちは二十歳になったって変わらない。だって18歳になってやっと出会えた、理想の女性なんです。こんな気持ち初めてなんです。俺には今しかないんです。

「わかりました、じゃあ僕の血を抜いてくれませんか」
「ん? 流血プレイのこと?」
「そうだと思います、紗季さんに僕のちんこも体も全て捧げます。」
「君ね、想いは素敵だけど私がとんでもない豚だったらどうするの?笑」
「豚だろうと紗季さんは紗季さんです、出会えたんです。ちんこにピアスを開けるとき手を握ってもらうことは決まってるんです。あと、紗季さんは絶対に美しいです」
「わかったわかった、とにかく今は無理よ、全ては色々経験を経て二十歳を超えてからよ」

 だめだった。ピアスがだめなら、血を抜くぐらいならお店じゃなくて直接やってもらえるかと思った。そういうことじゃなかった。あ、俺を見てもらおう。今の姿を見てもらおう。


::::::::::୨୧::::::::::୨୧::::::::::୨୧:::::::::::୨୧::::::::::

最後までお付き合いいただき、有難うございます。
もし宜しければ、フォロー、いいねを頂けると嬉しいです。

Twitter_
https://twitter.com/amanenoanone

サポートいただけたら嬉しいです。 少しでも多くの癖を刺していきたいと思っています。 よろしくお願いします。