人生デザイン講座(3)熱中できる道を見つける
消耗しない生き方を、地図ではなくコンパスを持って探す。
【行き詰まり思考】 → 仕事を楽しくなくて当たり前。だからこそ仕事なのだ。
【人生デザイン思考】→ 「楽しさ」はあなたに合った仕事を見つける大事な指針。
人生に唯一の目的地はないので、目的地をナビに入力して指示を受けることなんてできない。
あなたにできるのは、目の前の手がかりに注目し、最善の道を選ぶことだ。
その最初の手がかりが、「熱中」と「エネルギー」だ。
●生き生きと働く人はフロー体験している。
フロー状態とは、熱中のパワーアップ版だ。
時間が止まっているように感じ、目の前の活動に完全に熱中していて、その活動の難易度とあなたの能力がちょうど一致している。
優しすぎて退屈なわけでも、難しすぎて不安なわけでもない。
こういった熱中状態を、「ハイ」「ゾーンに入る」などいろいろな言葉で表現する。
フロー状態にある人々は、自身の体験をこう表現する。
・目の前の活動に完全に没入している。
・恍惚感や高揚感を覚える。
・心に迷いがなく、何をどうすべきかがはっきりとわかっている。
・完全に心が落ち着いている。
・時間が止まっている、またはすぐに消失してしまうように感じる。
フロー状態は、ほぼどんな肉体活動や精神活動でも起こり得るもので、特にその2つが組み合わさったときに起こりやすい。
●エネルギーを高める仕事VS消耗しやすい仕事
道探しの2つ目の手がかりは「エネルギー」だ。人間は生きて成長していくのにエネルギーが必要だ。
人類誕生以来、人間はエネルギーを酷使する狩猟子育て作物の栽培といった肉体労働にほとんどの時間を費やしてきた。
ところが現代はどうだろう?多くの人々が知識労働者で、脳を使って重労働をしている。脳はエネルギーを酷使する器官だ。1日に消費する約2000キロカロリーのうち、500キロカロリーが脳の運転に回される。
そう考えると、脳をどう使うかで、エネルギーが満タンだと感じるのか、空っぽだと感じるのかが決まるのも不思議ではない。
私たちは1日中肉体活動や精神活動している。私たちのエネルギーを保ってくれる活動もあれば、吸い取る活動もある。
グッドタイム日誌手をつけてもらうのは、そういったエネルギーの流れを追いたいからだ。毎日毎週、あなたのエネルギーはどこへ流れているのか?それがわかれば、あなたのバイタリティーが最大になるよう、日々の活動デザインすることができる。
忘れないでほしいのは、ライフデザインの目的は、あなたの現在の人生からより多くのものを引き出すことであって、必ずしも新しい人生をまるまるデザインし直すことではない。
人生を大きく変えるべきか?そう悩んで本書を手に取った人もいるかもしれないが、ライフデザインの主な目的は、あなたの現在の人生を調整して、理想へと近づけることにある。
必ずしも転職、移住、大学院への再入学などをして、人生を根底から作り替える必要はないのだ。
エネルギーレベルを記録するのは、熱中度を記録するのと同じ事では?と思うかもしれない。
エネルギーが熱中と違うのは、マイナスの値を取り得る点だ。
中には、次のことをする体力も残ってないくらい生気を吸い尽くしまう活動もある。退屈はエネルギーを大きく奪い取るが、退屈から抜け出すよりも、
エネルギーを消耗した状態から抜け出す方がよっぽど難しい。
だからこそ、あなたのエネルギーレベルに注目することが大事なのだ。
●やってみようーグッドタイム日誌
①ノートを使って、あなたの毎日の活動記録する。
・あなたが熱中している活動、タイミングは?
・エネルギーに満ち溢れている活動、タイミングは?
・フロー状態にある活動、タイミングは?
・その時何をしていたか?
・できれば毎日、最低でも数日おきに日誌をつけること。
②日誌を3週間継続する。
③毎週末、考察を書き出す。熱中している活動やエネルギーが湧いてくる活動と、そうでない活動名あげよ。
行動記録を振り返り、パターン、洞察、意外な点を見つけ出そう。あなたに合ってる事は?合っていない事は?それを知るヒントになるものなら何でもいいので、とにかく見つけ出そう。できれば3週間ぐらいは続けてみよう。
⑤ズームインして、熱中している活動やエネルギーが湧いてくる活動、そうでない活動を具体的に掘り下げる
⑥必要に応じて、AEIOUメソッドを使って考察する。
行動記録を振り返るときに使える5つの質問の頭文字を表している。
活動(Activity)
環境(Environment)
やりとり(Interaction)
モノ(Object)
ひと(User)
活動(activity)
あなたは何をしていたのか?それは決まった形式を持つ活動か?それとも自由気ままな活動か?あなたは特別な役割(チームリーダー等)を果たしていたか?それとも参加者に過ぎなかったのか?
環境(Environment)
環境は心の状態に大きな影響及ぼす。サッカー場と教会では感じ方が違う。その活動していた時、どこにいたか思い出そう。どんな場所だったのか?その場所はあなたをどういう気分にさせただろう?
やりとり(Interaction)
やりとりした相手は人間?機械?新しいタイプのやりとりなのか?おなじみのやりとりなのか?正式なやりとりなのか? 自由なやりとりなのか?
モノ(Object)
物やデバイス(iPod、スマートフォン、スケボー、ヨット等は使ったか?その時のあなたの気分を生み出した(または強めた)ものは?
ひと(User)
他にその場にいた人は?その人はあなたの体験にとってプラスだっただろうか?それともマイナスだっただろうか?