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イイモノはひとつじゃない。
よく、正解はひとつじゃないと人は言う。
私もそう思う。
人間は「イイモノ」が好きだと思う。
言い切れないから語尾は濁しておく。
なんだか批判的なトゲトゲした言い回しだけど
タイトルは私にとってとても前向きでキラキラした言葉だ。
1年前、ある場所に所属した。
元々興味もあったし仲の良い友だちもいたし
誘われたからやってみようと思い立ち関わることになった。組織に属するというのは文化に触れることに近いかもしれない。それくらい新しい世界だった。その場所では「みんながいいものがいい」を大切にしていて、全員で意思疎通するのに莫大な時間と気持ちをかけていたようにみえた。
きっとそれが好きな人もいるだろう合わない人もいると思う。ここではじめてこう思った。
「イイモノ」ってなんだろう。
みんなが良くないと「イイモノ」じゃないのか?
そもそも、みんなが良いと思うものってなんだ?
訳がわからなくなって、言葉にはできないけど
気持ちが離れていってしまった。
しばらくして、また新しい場所へと移った。そこでもまた、新しい文化にふれた。そこで出会った恩師の言葉が忘れられない。
自分がいいと思う道を歩み続けなさい。そうすればきっと同じ志を持った仲間が集い大きくなるから。
この言葉は、色んな価値観に触れて色んな人の気持ちを知った上で私がやりたいと思うこと、やってみたいと思うことを追い求めることの意味、価値を感じさせられた。
その言葉を信じてたけれど実際歩みたい道を歩んだとき、思ったより全然うまくいかなくて、傷つくことも多くなった。
「そこまでやらなきゃだめなの?」
冷たい目を向けられた事もあった。
「去年の方がよかった」
重く厳しい言葉を受けた事もあった。
その時は私のせいで誰にも嫌な思いをしてほしくなくて悲しさに暮れていたけれど、その度に恩師の言葉を思い出し奮い立たせた。
全部実ったわけではないけど、
自分のやってみたい事にまっすぐ進むと
見たこともない広い世界を目にした。
感じたことのない深い感情になった。
「それ面白いね!」って言って一緒になってくれる人たちに出会えた。
私にとっての「イイモノ」とひとつじゃなくて
その時々で変わり続けていくんだと思う。
時には寄り道したり、時には人の道にお邪魔してみたり、みんなにとっての「私自身が思うイイモノ」に触れてみたいし、私も追い求めたい。
人間は「イイモノ」が好きだと思う。
それが全世界の人が良いと思わなくてもいい。
私が、あなたが良いと思ったものは、
必ずどこかで花が咲くから。