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“異常な寒がり”の私が暖かく暮らすための北海道お試し暮らし①

私は寒いのが嫌いだ。

寒さを感じる場所では、どうしようもなく不機嫌で狭量な人間になる。

惨めで情けなくて、どうしようもない無力感に打ちひしがれてしまう。


「うちのお母さんの寒がりは、ちょっと異常なんだよ」

娘が連れてきた友人に向かって、そう話しているのを聞いて、なるほどと思った。

そうか私は、“異常な寒がり”なんだ。

確かに私は、“寒さ”を憎んでいる。


そんな私が冬の北海道でしばらく暮らしてみようなと思い立ったのは、まさに「北海道では真冬でもTシャツ1枚でアイスクリームを食べて暮らしている」という話の真偽を自らのカラダで確かめたかったからに他ならない。

東京がさほど寒い地域ではないことは、私だってわかっている。

けれど家中どこでも暖かいというわけではない。

リビングを出れば寒さにカラダがぎゅっとなるし、洗面所や使っていない部屋は極寒だ。

いくらエアコンを入れたところで、足元が冷えるのを完全に防ぐことはできないし、床暖房は座り込んででもいなければ暖かさを感じられない。


そう考えると、日本で最も寒い土地が、実は1番寒さを感じることなく暮らせる場所なのかもしれない。

そうだとしたら試してみない手はない。

といって、すぐに行動に移すところが、娘の目から見て“異常”なのかもしれないとも思う。


「家の中はともかく、外ではどうするの?」

心配する声に対しては、アウトドア用品を扱う専門店で、「オーロラを見に行っても大丈夫」と太鼓判を押されるレベルの衣類一式を買い揃えることで応えることにした。

都内で着ていたら、変な人だとしても、北海道なら「観光客が着込んでるな~」くらいでスルーされるに違いないと考えたのだが、どうだろう?


実際、私がお試しに選んだ土地は、時にマイナス30度にもなるという極寒の地。

よりによって何でそこまでと思われるかもしれないが、生半可な場所では、家の断熱も中途半端になるのではないかという猜疑心にかられての選択。ここなら私の実験にうってつけという土地を選んだつもりだ。


私は、「子育てもそろそろ終わる。さあ、これから」というときに、病気を抱えることになった。その時の経験から、これから先の人生は自分のカラダを何より優先して生きようと決めている。


自分が本当に心地いいと思える生活がしたい。
これっぼっちも我慢なんかしたくない。
私は自分の望みを叶えるために全力を尽くしたいのだ。
なんと我が儘なと思われるかもしれないが、これが嘘偽りのない私の本音なのだから仕方ない。

身も心も縮こまって物悲しい気持ちになる寒さを、感じることなく冬を過ごすことができるかもしれない。

それを検証するために北海道へ来た。

ひと月にも満たない日々ではあるが、寒さを逃れるためにやってきた北海道でのひとり暮らしの日々を綴っていきたいと思う。

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