小説『窓』 no,46
赤井義晃が首里城公園を去って、間もなく紡車紫織が妹尾錠治の前に現れた。
紡車紫織:『妹尾さん!お久しぶり!』
先ほどの緊張感が溢れ出ていた彼女(紡車紫織)の声とは 別(の)人(物)かと思わせる様な明るい声で 妹尾錠治の背後から近づく紡車紫織が 妹尾錠治に話し掛けた…(かけてきた…)
妹尾錠治:『おぉ、(先程は…)どうも…』
少し驚く表情を見せながら(妹尾錠治は…)
本当は「元気だった…」って普通に声を掛け合う(紡車紫織との)再会がしたかった…(妹尾錠治だった…)
沖縄に来た本当の理由は、久保伸治から事(今回の一連)の真相に迫る新事実(真実)を聞き出したくて(と)…
(頭の中では)思いながら…
いや、これは建前で…本当の理由は、暫く連絡が途絶えていた紡車紫織に会いたかった…
のが 妹尾錠治が本音(ほんね)だったのだが…、
先程(赤井義晃との再会時)の紡車紫織からの突然の電話の内容(赤井義晃との会話を遮る様な紡車紫織の言動があった事)で、少し素直になれない 妹尾錠治が…そこ(その場)にいたのだった。
紡車紫織:『 元気そうで 安心したわぁ…』
紡車紫織:『沖縄料理は…どうだったぁ?』
妹尾錠治:『やっぱり、(紡車)紫織の段取りだったんだなぁ!』
紡車紫織:『はい、でも( 妹尾さんも…多分)気付いていたくせに…(意地悪な言い方ねぇ)』と、
紡車紫織が 笑みを浮かべながら言った。
妹尾錠治:『まぁ、悪くない誘導作戦だったかもなぁ…』
妹尾錠治も 笑みを浮かべながら話し返す…
その笑みの裏側には、昨日の紡車店主(紡車紫織の兄である紡車耕司)の下手な芝居を思い起こしての事でも…あった。
紡車紫織:『ねぇ、この後…どうするの…久保伸治と会うの…?』
妹尾錠治:『勿論(もちろん)、会って (直接) 久保伸治から全てを聞き出したいねぇ…』
妹尾錠治:『もう、僕も今の状況のままで…この仕事を続けようとも、終えようとも…(中途半端で…)思えないしねぇ!』
紡車紫織:『そうよねぇ…、その気持ちは(私にも)良く分かるけど…』
紡車紫織:『もしも 久保伸治と会って(貴方=妹尾錠治)話が出来たとしても…彼が本当の事を(貴方=妹尾錠治に)話すとは 限らないわよねぇ!?』
妹尾錠治:『その時は その時(に…)、どうするかは自分で決めるよ!』
そもそも、こんな事態に 妹尾錠治は 「巻き込まれたくは無かったんだ!」と口に出してでも 言いたげに 紡車紫織の質問に対して少し不機嫌そうに言い返した。
妹尾錠治:『そんな事より、(紡車)紫織は大阪府警を 既に 辞めたんじゃ…?、何(なん)で未だ 久保伸治を追い掛けたりしているんだい!』
妹尾錠治が(意地悪そうな顔付きで)紡車紫織の顔を見つめながら言った…
実は…(その件については…)
(既に)妹尾錠治には…大体(だいたい)の察しは 付いていのたが…
あえて、ここは 「一発 」紡車紫織の自分(妹尾錠治)に対する 今迄(いままで)の対応の仕方に 納得していない事 の表明を (いつか紡車紫織に)しなければ…(気がすまない!)
と 考えてたので…
敢(あ)えて、このタイミングで 紡車紫織に、この事を(今、このタイミングで)追求したのであった…
紡車紫織:『なによ!私に…(そこまで)言わせる気なの…妹尾さんて、(あんがい)意地悪な人なんですねぇ!』
紡車紫織が 不機嫌そうに(妹尾錠治に向かって)話すと…、
つづけて…
紡車紫織:『そうよ!(貴方の推測 どおりよ!)警察組織も反社(組織)と同様で…そんなに簡単に抜け(足抜け)られる組織じゃぁないわぁよ!』
妹尾錠治:『表向は…(周りに)探られても良い様に 完璧に退職届けを提出(演出)して 大阪府警を辞めた事には成ってるが…、でも、それは 新たな特別任務に就くための裏工作(事前準備)って…ところかなぁ…?』
妹尾錠治が 少し顔を緊張させながら紡車紫織に向かって話を更に続けた…(詰め寄った…)のだ!
妹尾錠治:『結局、警察組織は 久保伸治を逮捕して…倉崎聖士と共に、「ブラック·ステック」の件を 闇に葬るつもりなのか…?』
妹尾錠治:『それとも、最近のパチンコ運営組織(団体)の巨大な資金力を背景にした 金融組織へと変貌し「マネーロンダリング」と「北朝鮮への資金提供」をしている件を… アメリカ政府 組織 筋(すじ)から再三(さいさん)指摘されて…
今度こそは、本気でパチンコ運営組織(団体)を潰しに入ったって事なのか…!?(その行動が、とうとう始まったって事なのか…!?) 』
(実は、)妹尾錠治は…
昔、倉崎聖士と(大阪)北新地や難波で散々(さんざん)同行(一緒)して、いろんな場所で飲み歩きしていた時(その時々)に出会った人々に、彼(倉崎聖士)から、その度に聞かされていた話しを基(もと)に、紡車紫織に 打ち明けた 始めてたいたのだ…
なぜならば、その事が 今回の一連の事件(事件の背景)に大きく結びついている気がしていたからなのだ…
そして、当然 その事は、紡車紫織も特殊警官の立場として知っていると…
(妹尾錠治は…紡車紫織の様子を見ていて感じていた)
今までは 水面下で…
関係者だけで 極秘 扱いで話を進めて来ていた 大阪府(大阪市)の「秘密計画(大阪都構想の裏計画)」であった(が…)!
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