見出し画像

小説『窓』 no,50

比嘉整形外科医院の別棟で妹尾錠治や中畑康夫が見守る中で紡車紫織が目を覚ますと…
紡車紫織:『妹尾さん…無事だったのねぇ…』

妹尾錠治:『あぁ、無事だよ!』

中畑康夫:『具合は…どうですか…、お兄さんも大変 心配しておられますよ!』

紡車紫織:『躰が痛いわ…、でも そんな事は言ってられないわぁ…』

妹尾錠治:『仲間の特殊警官達に追われているのかぁ?』

中畑康夫:『そいつらって、本当に(日本の)警官なのか…!?』

中畑康夫:『仲間の警官同士で撃ち合うなんて…まともな警官のする事じゃ無いぜ!』

紡車紫織:『そうよねぇ、まともな警官じゃないわよねぇ…』

紡車紫織:『妹尾さんならば…分かるでしょ…う、どんな連中が(特殊)警官なのか…』

妹尾錠治:『あぁ、分かるさぁ!』

妹尾錠治:『でも、俺は ともかく中畑(康夫)さんまで巻き込んでも…良いのか?』

中畑康夫:『何だよ!その(会話の)遣り取りは…!?』
中畑康夫:『もう、巻き込まれているじゃ無いか…!』

中畑康夫:『それに、この件を沖縄県警に連絡しても…全く取り合わなかったんだぜ!』

中畑康夫:『もう、そろそろ聴かせて貰わないと…何が、どうなっているのか…、それに二人の事も心配だし…』

紡車紫織:『もう、中畑(康夫)さんにも話すしか方法は無いみたいねぇ!!!』

妹尾錠治:『あぁ、そうだねぇ…』

妹尾錠治『紡車(紫織)さんを含む後の三人(の特殊警官)も…決して表向の警官ではなくて…率直に言って、暗殺と裏金資金を目的とした過去に警察組織に弱みを握られた…決して表に出せない裏の警察部隊って感じの連中だねぇ…』

中畑康夫:『何だか、信じられない様なヤバイ仕事をやらされているヤバイ人間だって事かぁ…』

中畑康夫:『…で、その三人から逃れる方法は…有るのか!』

紡車紫織:『なんとか、始末しないと…こちらが殺されて終わりよ!』

妹尾錠治:『やっぱり、そう言う事か…』

妹尾錠治:『しかし、仮に…その三人を始末出来たとして…、その後も次から次へと…あらたな連中が、やって来るんじゃぁないかぁ?』

紡車紫織:『それは無いわぁ!』
紡車紫織:『今回の件は…これで終わりよ!』

妹尾錠治:『…えぇ、そうなのか…?』

紡車紫織:『この件は、この(特殊)警官で…それ以上にメンバーはいないわぁ!』

紡車紫織:『そんな余裕は…コントロールしている警察組織の上層部には無いわぁ!』

妹尾錠治:『そっか…、つまり久保伸治を捕らえて「ブラック·スティック Version2」の売上金を没収して警察内部の裏金にするのが目的だから…、その三人を我々の方で始末すれば…、紡車紫織だけが最終的に一人残って「ブラック·スティック Version2」の売上金を赤井義晃から没収して警察内部の裏金組織に届ければ…全ては 紡車紫織の功績となり、後の連中は組織を裏切った連中と言う事で…終了って事か!』

紡車紫織:『そうねぇ、組織の目的は裏金に成る…今回の「ブラックス·ティックVersion2」の裏金だから、それが入れば…こちらからの取引に応じるって訳!』

紡車紫織:『(裏金づくりの)警察組織としたら、あくまでも裏金資金が欲しいのだから…、それが手に入れば…、それ(=「ブラックス·ティックVersion2」)を使ってゴト行為をしているゴト集団を表で逮捕して幕引きし…その両方の功績(犯罪者であるゴト集団逮捕と裏金資金づくりの功績)』を手にしてニコニコ完全終了って事なのよ!!!』

中畑康夫:『じゃぁ、こっちが 殺られたら、その逆に 三人(残りの特殊警官)が表の警察組織に返り咲いて…過去の問題から解放されて…出世コースに入る…?、唯一のカンバック&(彼等の)命の保障ってわけかぁ…』

紡車紫織:『でも、彼等(その三人)には…そんなに簡単じゃ無くてよ!!!…ねぇ…妹尾(錠治)さん!そうよねぇ…』
紡車紫織が…そう話すと「ニヤリ」と緊張感を含んだ笑みを浮かべる…

妹尾錠治:『まぁ、そうねぇ…久保伸治が亡くなった今では…「ブラックス·ティックVersion2」の売上の仕方も…その売上金の回収の仕方も…容易には(彼等には)分からないだろからなぁ…!』

紡車紫織:『とにかく、あの連中(三人)より早く赤井義晃から「ブラックス·ティックVersion2」の売上金を押収して…(裏金づくりの)警察組織の窓口(上層部)に持って行き…その連中を警察組織の方で始末(しまつ)してもらえば良いのよ!』

紡車紫織:『妹尾(錠治)さん!大丈夫…?赤井義晃の方は…』

妹尾錠治:『多分、大丈夫だと思うよ…赤井の事だから…久保伸治が奴等に殺されたとなれば…何が何でも…「知らない!」「分からない!」「全部、久保伸治が遣った事で自分(赤井義晃)は何も知らない!」と頑張ると思うよ!』

妹尾錠治:『上手く、奴等(特殊警官の三人)から逃げて…いてくれれば良いのだが…?』

紡車紫織:『えぇ、逃げ込む先が沖縄県警でもOKなんだけどなぁ…』

妹尾錠治:『そっか、その手が有ったねぇ!』
妹尾錠治:『少なくとも、沖縄県警に保護を求めて逃げ込めば…、その三人には…売上金のある場所も探せないどころか…赤井義晃には 直接 手出し出来ないからなぁ…』

妹尾錠治:『赤井義晃ならば…、私に(首里城公園で交渉仕掛けて来ている位(くらい)だから…、久保伸治が死んだ今となれば…沖縄県警に逃げ込む位(くらい)の事は 容易に考えつくと思うなぁ!』

中畑康夫:『なんとなく、二人(紡車紫織と妹尾錠治と…)の会話を聞いていたら…分かったんだか…それって…』

中畑康夫:『私が沖縄県警に行って、その赤井義晃が(沖縄県警に)保護されているか…調べて来たら…助かる道が見えるって事だよねぇ…』

紡車紫織&妹尾錠治:『そう!』
二人(紡車紫織&妹尾錠治)が同時に「そう!」って…中畑康夫に向かって言った事で…

中畑康夫が…目を丸くして 二人(紡車紫織&妹尾錠治)と目を合わせる…

そして、その瞬間(に) 三人(紡車と妹尾と中畑)が 笑顔で…それぞれの立場を理解し合った「緊張感」を共有して笑っていたのでした。

………………つづく……………………
小説『窓』no,51(作成中)

前回の内容を確認する⤵️

久保伸治が亡くなる前に 段取りし「ブラック·スティック Version2」の売上方法と売上金の回収方法を知るなどの…この小説の重要な真相を含む内容を確認するには⤵️

この小説『窓』を最初から読んでみたい方は⤵️






いいなと思ったら応援しよう!