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sakenomikoto
しゃべる未曽有【毎週ショートショートnote】
「ミゾタくん、二人きりでお話したいことがあるの」
学校一の美少女で、どこかミステリアスな雰囲気が魅力のミウちゃんが、急にしゃべりかけてきた。これは未曽有の事態だ。しかもこれって、もしかして……
「あのね、将来、私と結婚してほしいなって」
本当に告白だった。
しかも、一足跳びにプロポーズ?
未曽有の展開すぎて頭が追いつかない。
「ミゾタくんの家、裏山があるでしょ」
ん?
確かにおじいちゃんの持ち山があるけど……
「あの山が欲しいんだよね、私」
財産目当てかよ!
しゃべるほどに、ミウちゃんのイメージがガラガラと崩れていく。
「その近辺で、ツチノコが出るって噂があって」
ん?
ツチノコ?
「私、ツチノコを見るのが夢なの!」
……ツチノコを探すために結婚?
ある意味ミウちゃんらしい、のか?
「で、悩んでるのか」
「そう、未曽有の選択なんだよ」
「絶対やめとけって。相当変だぞ、その子」
家の裏山。
考え込む僕を見かねて、友ツチノコのツッチーがアドバイスをくれた。
※本作品はamazon kindleで出版される410字の毎週ショートショート~一周年記念~ へ掲載される事についてたらはかにさんと合意済です。