世界の博物館の占いにまつわる展示物⑥
はじめに
占いは古代から人々の生活に深く関わり、宗教や文化の一部として発展してきました。その多様な形態は、世界中の博物館で今も私たちにその歴史を語りかけています。今回は、新たな3つの占い関連展示物を取り上げ、それぞれの背景と魅力を探っていきます。
1. シュトゥットガルト州立博物館(ドイツ・シュトゥットガルト) - 古代ケルトのオガム文字石
シュトゥットガルト州立博物館には、古代ケルト人が使用していた「オガム文字石」が展示されています。オガム文字はケルト民族の文字体系で、特に木や石に刻まれ、占いや予言のために用いられました。この文字は、自然や神々とのつながりを示すとされ、占い師たちはオガム文字を使って未来の出来事や神々の意志を解釈しました。博物館の展示では、これらの文字石がどのように刻まれ、使用されたのかを学ぶことができ、古代ケルト文化の神秘に触れることができます。
出典:シュトゥットガルト州立博物館公式サイト( https://www.landesmuseum-stuttgart.de)
2. スミソニアン国立アメリカ歴史博物館(アメリカ・ワシントンD.C.) - 水晶占い用道具セット
スミソニアン国立アメリカ歴史博物館には、19世紀に使用された水晶占いの道具セットが収蔵されています。このセットには、透明な水晶球、天体の配置を描いた占星盤、そして占い師が記録を残すための装飾的な日誌が含まれています。特にヴィクトリア朝時代のアメリカでは、オカルトや占いが流行しており、水晶球占いは霊的な洞察を得るための手段として広く用いられました。博物館では、このセットを通じて、当時の占い文化とその社会的背景を知ることができます。
出典:スミソニアン国立アメリカ歴史博物館公式サイト( https://americanhistory.si.edu)
3. アシュモレアン博物館(イギリス・オックスフォード) - 古代ギリシャのデルポイの神託関連資料
オックスフォードのアシュモレアン博物館には、古代ギリシャのデルポイ神殿で使用された神託関連の資料が展示されています。デルポイ神殿はアポロン神に捧げられた聖地で、巫女たちが神託を伝える場として有名です。展示には、神託に使われた石板や儀式用の容器、神々の彫像などが含まれており、古代ギリシャ人がいかに神託を生活の指針としていたかがうかがえます。博物館では、デルポイの神託が当時の政治や文化に与えた影響についても学ぶことができます。
出典:アシュモレアン博物館公式サイト( https://www.ashmolean.org)
占いは、古代から現代に至るまで、人々が未来を知り、運命を導くために使ってきた手段です。これらの展示物を通じて、占いがさまざまな文化や時代でどのように役割を果たしてきたかを知ることができるでしょう。次回も、さらに奥深い占いの世界をご紹介します。
【執筆者】
天元春日(あまもとはるひ)
易占研究家。神道家。
【Twitter 】@Usu9Er 「天元春日」
【周易鑑定】 https://coconala.com/services/1717444
【著書】
○『年卦八索法 平田篤胤の易学研究』1250円(Kindle)
《内容》
平田篤胤の易学占法「年卦八索法」を見直し、解釈しました。
本書では、平田篤胤が『太昊古易伝』に述べている年卦八索占法を整理し、不備と思われるところを生田萬、新田目道茂等の著書から補い、さらには同法の理論を展開して、より詳細な占断法について考察。
また別途筮法や思想的な背景についても本文を要約して紹介し、それによって年卦八索法の体系化を試みました。
○『考古易説ー日本神話・古典による易教解釈ー 附・平田易納甲表』300円(Kindle)
《内容》
江戸時代末期〜明治初期に、国学者によって書かれた書籍を翻刻・編集。
易の64卦を神話や古典の事象を当てはめて解説しています。
平田易による独自の納甲表も収録。
〇「二千年来の一人」真勢中州及びその一門の周易占例集(六十一占例)500円
(Kindle)
【出版物】
○『大島中堂選集』1250円(Kindle)
《内容》
大正〜昭和初期に活躍した易占の大家、大島中堂氏の著書を選集という形でまとめました。
周易愛好者必携の書です。
収録書籍
1、 『周易埋物霊祟秘伝 全』
2、 『易学千里眼』
3、 『真易中州の易学』
4、 『五段論式必中占法』
5、 『易学速成講義録』(全六巻)