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日本の図書館の占いにまつわる収蔵書①

占いの文化は日本の歴史と深く結びついており、多くの図書館には貴重な占いに関する収蔵書が残されています。今回は、京都大学附属図書館、国立公文書館、東洋文庫が所蔵する、日本の占い文化を知るうえで欠かせない三つの貴重な資料をご紹介します。

1. 『観象遊占図』 - 京都大学附属図書館

「観象遊占図」(かんしょうゆうせんず)は、江戸時代に制作された占いのための絵図で、天体の観測や気象、季節の変化をもとに吉凶を占うための資料です。京都大学附属図書館が所蔵するこの絵図は、当時の人々が自然現象と密接に結びついた生活を送り、日々の出来事を占いを通して解釈していたことを示しています。特に農耕や祭事に関連する吉凶が細かに記されており、当時の文化や信仰についての貴重な視点が得られます。このような資料は市販されておらず、研究者にとって貴重な一次資料とされています。

出典: 京都大学附属図書館 所蔵情報

2. 『卜部氏文書』 - 国立公文書館

「卜部氏文書」(うらべしもんじょ)は、卜部氏が残した文書群で、占い文化を学ぶ上で貴重な資料です。卜部氏は代々朝廷に仕えて占いを司ってきた家系で、その独自の儀式や解釈が文書に反映されています。この文書は国立公文書館でしか閲覧できないもので、占い研究の重要な一次資料です。

出典: 国立公文書館 デジタルアーカイブ

3. 『千里眼考』 - 東洋文庫特別資料

「千里眼考」(せんりがんこう)は、明治時代に編纂された、透視能力や千里眼についての研究記録です。東洋文庫が特別資料として所蔵するこの書物は、当時の超常現象への関心がうかがえる内容であり、占いや心霊的な現象を科学的に解釈しようと試みた記録です。透視や占いに対する興味がどのように発展し、社会に受け入れられていったのかを知るための資料として、学術的価値が高いものです。市販されておらず、研究施設での閲覧が主となっています。

出典: 東洋文庫 特別資料カタログ

日本各地の図書館には、時代を超えて受け継がれてきた占いに関する貴重な収蔵書が数多く存在しています。これらの資料を通じて、占いがいかに人々の生活や文化に深く根付いていたかがよく分かります。次回も別の図書館から、占い文化を知るための貴重な収蔵書をご紹介しますので、どうぞお楽しみに。

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