ご婦人、それはないっすよ。
※10分間で書く、下書き・推敲なしのぶっつけ本番エッセイ。毎日更新143日目※
昨日スーパーに行ったときのこと。ドイツは再び熱波によって連日35℃越えを記録しているから、暑くなりきる前の朝一で買い物に行った。もちろん客は少なく、レジにはだれもいない。なんならレジ係もいない。
まぁドイツあるあるなので、会計をするためにレジの人が来るのを待っていたところ、後ろから女性に声をかけられた。人が良さそうな、60歳オーバーであろう人。
「わたしは牛乳しか買わないからレジを先に譲ってくれませんか」
とのこと。
ドイツではこういう会話はわりとよくあるから、「ああ、全然いいですよ。どうぞどうぞ」と先を譲った。別に急いでないし、牛乳1本だけだしね。
で、レジ係の人が来て、牛乳をピッと読み込み会計……かと思いきや、そのご婦人はくしゃくしゃのレシートを広げ、「前回のレシートなんだけど、広告と値段がちがったの」と言い出した。広告はもう持っていないけど、絶対に2ユーロ高くなっているから返金してほしいと。
ええええええええええ!!!!!!????????
牛乳1本じゃないじゃん! いやたしかに買うのは牛乳1本かもしれないけどさ! え、いや、えええええええ!!??
レジ係の人じゃ対応できなかったので、奥にいるらしい店長に連絡。店長もやってきてああだこうだと言い始める。えーなにそれ。
別に10分待つのはいいよ。急いでないから。でもさ、「牛乳1本だけなんで譲って」と言っておきながらそれはちょっとなくない? ずるいというか、話がちがうよね?
なんかこういうことがあると、親切をためらうようになるよね。バカを見たわーって気持ちになっちゃう。怒るというより、損した気になるんだよ。で、親切へのモチベーションが下がる。
電車で席をゆずる人が少ないっていうのも、もしかしたら断られたりなにか言われたりって経験がある人が多いのかもね。一度そういうのを経験すると、次からはためらっちゃうから。
親切ってのは無償の好意だけに、それでかえって損はしたくないよね。するならお互いいい気持ちになりたい。嫌な気持ちになるくらいならやりたくない。
そうなっちゃうから、親切は「互いが気持ちよく」が大事だよねって話。
じゃあ、またあしたね。
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