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LINE交換、やりとりの始まり。浮かび上がってきた「過去の私」
15歳年下の絵画教室の講師、ユウヤからのお誘い?に、すっかり忘れていたトキメキを思い出した私。そして同時に、忘れていた過去の自分も浮かび上がってきます。それは、常に複数の男性と付き合っていた、20代の頃の私でした。
LINE交換から始まった
恋人同士のようなやりとり
食事に誘われた(かもしれない)日以来、ドキドキと戸惑いが交じり合ったような日々を過ごし、そしてまた、絵画教室に行く木曜日がやってきました。
教室でユウヤの姿を見ると、やっぱり少しだけ意識してしまいます。しかし、一方のユウヤは全くの普段通り。なんだか拍子抜けです。
やっぱり勘違いか。そうか、そりゃそうだよね。やっぱりからかわれたんだ。あー。若い子にからかわれてトキメいてるなんて、私はなんて痛いオバサンなんだ。ああああ、自分に腹が立つ。
と、ひとり、ぐるぐるする私。何となく気もそぞろなまま教室は終了。片付けをして帰ろうとすると、ユウヤが声をかけてきました。
「天宮さん、良かったらLINE交換してください。休みの連絡とかすることがあるので」
携帯!?
LINE?
やっぱりそういうこと? いやいや、普通に教室の連絡用かもしれないし、そう自分に言い聞かせる私。
☆
そして、その日の夜から
なんと毎日、ユウヤからLINEが来るようになったのです。
「今日の授業はいかがでしたか?」
「どんな絵が好きですか?」
「お休みの日は何をしてるんですか?」
………
お休みの日、まで来ると、もう授業は関係ありません。
お休みの日は授業と関係ないですよね。と打つと
「あ、お休みの日も絵を描いてるのかなと思いまして…。」という返信が。この辺りから、きっと何らかの理由で私にアプローチをしているのだろうな。と思ったものの、向こうもはっきりとしっぽは出しません。
それでも私はあまりに女性としての自分の価値を下に見ていたので
もしかしたらお金目当て?なんて考えていました。
ユウヤからの連絡はほぼ毎日。そしてそれは次第に、プライベートなやりとりに変わっていったのです。
「今日も仕事ですか? 頑張ってくださいね。僕も今日は夜まで授業です」
「今度六本木の美術館で、〇〇展があるんですよ。天宮さんと行けたら嬉しいな~ なんて、冗談です笑」
私もだんだんと彼とのやりとりが楽しくなり始めていました。
10年来の付き合いのタケルは宮城に単身赴任中でしたし、滅多にLINEなどを送ってこない人だったので、こんな恋人同士のようなたわいないやりとりが少し嬉しかったのです。
お金目当てなら、まぁそれでもいいか。お金さえ渡さなきゃいいんだから。そんな軽い気持ちで、ただちょっとしたドキドキ、ワクワクを楽しんでいました。
そんな中で、だんだんと浮かび上がっていたのが、過去の私の思い出です。
複数と同時に付き合うのは当たり前
どこか傷んでいた20代の私
20代の頃。私は常に複数の人と付き合っていました。何の悪気もありませんし、特に遊んでいるつもりもありません。ただ、好きな人が常に複数いて、結果的に複数の人と付き合うことになったという感じです。もちろん、男性側はお互いの存在を知りません。
大きな声では言えませんが、不倫をしたこともありました。相手の奥様にバレてしまい、慰謝料請求の話が持ち上がったこともあります。
30代後半でタケルに出会って以降、このような性癖?は収まっており、すっかりおとなしい日々を送っていました。
それが、ユウヤの登場により、20代の頃の、このちょっとおかしかった自分が、首をもたげはじめたのです……。
「おかしかった自分」。
ユウヤとのことがなければ、この「おかしかった自分」は記憶の奥底に封印されたままだったことでしょう。
でも、後になって、私は知ることになります。「おかしい」には「おかしい」なりの理由があったし、いつかはそこと向き合わなければいけなかったのだと……、