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雲部!vol,17 雲の詩
こんばんは あまみのそらです。
ここ数日の雲は速いですね。どんどん動いていきます。きょうはそれほど速い雲、ではないかもしれませんが、動きゆく雲に話しかけているような一篇の詩をご紹介させていただきます。
山村暮鳥(1884-1924)の詩です。
おうい雲よ
ゆうゆうと
馬鹿にのんきそうぢやないか
どこまでゆくんだ
ずつと磐城平の方までゆくんか
山村暮鳥さんがどんな心持ちで雲を眺めていたかは、知る由もありません。けれど、どんな雲を見てこの詩を書いたのかなあという想像や、こうやって立ち止まって雲を見る人が昔もいたんだなあと考えるのは楽しいものです。
これは今年の7月の雲です。なに、とは言えないのですが生き物のように感じさせる形の雲で、思わずどこまで行くのか、と話しかけたくなります。
倉嶋厚さん監修の『風と雲のことば辞典』※では、山村暮鳥は八木重吉と並んで「雲の詩人」と称されているくらい雲の詩を何篇も書いています。全部読んだわけではありませんが、私はここに挙げたような雲と対話するような詩が特に好きですね。
雲を眺める楽しさ、心持ちを代弁してくれるような詩を見ると嬉しくなります。他にももっと、雲の詩を見つけていこうと思います。
※『風と雲のことば辞典』倉嶋厚監修 講談社 2016年