「のさりの島」の人インタビュー。山下真由美さん。#3
こんにちは。映画「のさりの島」上映プロデュースプロジェクトのnoteをご覧いただきありがとうございます!私達は、熊本県天草市で撮影された映画「のさりの島」を一人でも多くの方に見て頂きたいと思い活動しています。
▼活動の経緯はこちら
このnoteでは、天草で映画撮影に関わった方々や、東京や天草以外で上映プロデュースに関わる方々を紹介しながら、映画やプロデュース企画の裏側をお伝えしていきます。
今回は「のさりの島」の撮影に方言監修・指導でご協力いただき、「のさりの島上映準備実行委員会」の一員として動いていらっしゃる、山下真由美さんです。
山下さんに、「のさりの島」撮影時からどのように関わってこられたのか、映画を見る人に何を伝えたいか、お話を伺いました。
(勤務先の保育園にて映画のスタッフ・キャストの方々へ応援メッセージ)
山下さんが「のさりの島」と関わり始めたきっかけ
ーーー山下さんがどのようなきっかけで映画撮影に関わったのか教えてください。
山下:2018年の秋に、天草のフィルムコミッションの小山さんから、
「今度天草で映画の撮影があるらしいから、方言指導をやってくれないか!?」と連絡があったのがきっかけですね。
自分がもし監督と合わないなと思ったら「きっぱり断ろう」と覚悟して、初めて山本監督と会ったんです。
山本監督に会ってぴんときたのは「この人は正直な人だな」って。
私の勝手な先入観ですが、監督をされる方は映画を撮りたいから撮影地にとって良いことしか言わないと思っていました。
けど、映画を撮るにあたって大変なことも教えてくれる。この人は映画を撮るだけ撮って天草を荒らしていく人じゃないなと思って、引き受けることにしたんです。
あともう一つ。私は普段ピアノの先生をしていたり、保育園で音楽の授業をやっていたりと教育に携わっています。今回京都芸術大学の学生たちがプロの中に入って撮影をするとなった時に、教育者の一人として、間近で成長する姿を見届けたいと思ったのも理由です。
今回私が任された方言指導という役割は単純にイントネーションを指導するだけではないんです。
監督は九州の出身ではないので、台本は全部標準語で書かれてあります。なので、標準語の台本を天草弁に翻訳する必要がありました。一問一答で言葉が出てくれば良いですが、日本語はそうではないところが難しいところです。ましてや方言なのでね(笑)
役の人生があり、役の生きている時間が過去〜現在とある。そういう中で、「この役の人はどんな言葉を使うのだろう」と思いを馳せながら言葉にしていく。自分の懐も試される瞬間だと思います。
そのあとは天草弁で音源を録音し、俳優さんにお渡しして撮影日までに練習してきてもらうんです。その場では私も立ち会い、最終チェック。朝から晩までずっと現場に帯同しました。
俳優の学生の皆さんは撮影の時だけでなく、天草弁に慣れようと普段の生活から天草弁を使ってくれていましたね。その一生懸命な姿を見て、「かわいかなー」と感心させられました。一方、ベテランの役者の方々は撮影当日までにビシッと仕上げてくる。そうやって天草弁できちんと撮影がされた瞬間は、命が吹き込まれたようで感動しますよ。
あと撮影期間は天草の人たちから食べきれないくらいの差し入れもいただきました。撮影クルーは合宿所のようなところを借りて寝泊まりしていたんですけど、経費削減も兼ねて天草にあるみつばちラジオの放送で「食べ物くださーい」と学生が市民の方々に投げかけるとポンカンから大根からたくさん届けてもらったんです。
天草の人の「困っとる人は放っておけん、なんかしてやらんばね」という姿の表れかなと思います。映画のスタッフの方々も「こんな現場は初めてだ」や、俳優の方からも「天草に胃袋を掴まれました」とおっしゃっていただいたのは印象的ですね。
伝える側になり、山下さんがのさったものはなんですか?
ーーー撮影終了してから、伝える側として上映委員会で活動していらっしゃいますよね。
そうですね。もうこの映画は自分の子どもみたいなもんですからね。
(ポスターに上映日程の書かれた紙を貼り、準備もしました)
映画の受け止め方は人それぞれですから。映画をご覧になった方にこう思って欲しいということはないです。ただ、ふるさとを離れて暮らしている人、コロナの影響もあって人と人との繋がりに物足りなさを感じている人、そんな人たちにとって明るく、温かい灯火になれば良いなと思います。答えは一つではないですもんね。そういう意味で感想を言い合ったりしてみたいです。
また上映に向けてTwitterを使って天草弁講座をやってみたんです。
(→Twitterアカウントはこちら:@mamayoume28)
そしたら映画を楽しみにしている全国のファンの方々から、たくさんの反応をいただいて、「本当、私自身がのさったなー」と感じますよ。
この映画がなければ到底繋がることのできなかった人たちとこうやってやり取りをしているわけですから。喜んで返事をしてくれますし、映画をきっかけに天草のことを知ってくれたり知らなかった人とつながれたりするのは本当嬉しいですよね。
そうやって全国の方々が天草を楽しんでくれてもらえるといいなと思います。映画に表されているゆったりとした雰囲気は天草の日常そのものを表していると思います。そういう空気感をぜひ感じて欲しいですし、今はコロナで全国の移動が難しいですが、コロナが落ち着いたらぜひ天草の雰囲気や空気を感じに来て欲しいです。
インタビュー終了後の一コマ…
ーーーインタビュー終了後…
そういえばね。私、今回の映画にちょっとだけ出ているんですよ。恐れ多くもセリフがあり、緊張しました。
現場に入って撮影時間は短かったですけど、終了後「●●役、山下さん只今のシーンをもってオールアップです。お疲れ様でした。」と皆さんに言ってもらえた時は本当に女優みたいな気分になって拍手してもらえて嬉しかったです。
映画を見ていただく際は俳優さん以外の登場人物も、チラッと見て頂けると嬉しいですね。
最後に皆さん!映画「のさりの島」をよろしくお願いします!
(5/1の天草上映前日の一コマ)
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2021年5月22日(土)18時より今回インタビューさせていただいた山下さんも出演するオンラインイベント「天草弁でのさりを語る!!」があります。ぜひご参加・コメントお待ちしています!
○映画「のさりの島」公式HP
▼前売りチケットの購入はこちらから (BASEを通じて購入いただけます)
○上映プロデュースプロジェクトについてのメッセージや取材依頼はこちら
amakusagp+nosari@gmail.com(担当:渡邉・金子)
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インタビュー:渡邉健
文・編集:Ayaka Watanabe
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