4439本の映像をAIで生成して新曲のミュージックビデオをつくりました
どうも。あまいさとと申します。人付き合いが苦手すぎてバンドが組めないので、ひとりでバンドをやっています。バンド名はザ・スクロースといいます。以後お見知り置きを。
さて、この度、新曲のミュージックビデオを発表しました。
この作品に使用している映像は、全て2024年7月2日にRunway AIより発表されたばかりの動画生成AIモデル Gen-3 Alpha を使用して生成したものです。テキストやエフェクト(ノイズやブラックアウト、ホワイトアウトなど)もすべてAI作の素材です。
生成AIによるMV作成は、以前にも挑戦し頓挫した経験があったので、「案外むつかしいし大変だぞ」ということはわかっていました。
この一年足らずで動画生成AIの能力は飛躍的に伸びたとはいえ、今回もやはりなかなか順調には進みませんでした。やや生活も犠牲にしつつ、空いている時間をすべてこの制作に費やしても結局発表まで10日かかりました。
このMV制作のために生成した映像(各10秒)は、どうやら4439本にも及ぶようです。映像としての破綻がなく(小さく)、好みのテイストに合う映像が出るまで、何度もプロンプトを調整しながら生成を続けました。夜には夢の中でも動画を生成していました。
楽曲のタイトルは「あーだほーだ」(英題「All Directions Hardly Directional」)といいます。
歌詞の制作意図としては、こんな感じです。
脳内が整理されない、内外の情報に意識が散る、思考があちこち行ったり来たりする——そういう状態を表現しようとしている楽曲です。
このある種の混沌に対して、まだ完全とはいいがたい動画生成AIによる映像は、相性が悪くないだろうと考えました。
もちろん「最新のAIモデルを使用した作品をいち早く発表することは話題性を持つだろう」という下心も含んでいます。だけど同時に、「"AI"が先行してはいけない」という意識も強く持っていました。
「まず音楽があって、その伝達ために映像をつくる。さらにその制作のツールとして、生成AIを、あくまで"利用"する」。この優先順位を崩したくはありませんでした。(だから話題にならないのかもしれないな……)
結果、できあがったものは自分でも大変気に入るものになりました。ぼくの音楽をチェックしてくれる数少ない方々(心より感謝しています)からも概ね好評のようです。
とはいえ、こんなにいい曲つくったんだからもっとたくさんの人に聴いてほしい! 生成AIを本番のミュージックビデオで活用している例はまだ少ないんだからもっと話題になってほしい! ——という気持ちも多分にあります。
なので、もしお嫌でなければ、人目のつくところにて感想等を言葉にしていただけたら大変嬉しいです。そうでなくても、たとえば各メディア上の👍や❤️のボタンを押していただけるととてもありがたいです。
なお、この「あーだほーだ」は、2024年7月29日(ぼくの誕生日ですよね)より各サブスクリプションサービス等での配信が開始されます。そしたら、たくさん聴いてください。ついでに他の曲もぜひ。