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島食の寺子屋で料理を学び、Entô Diningで活躍する新卒メンバーにインタビューしました。

Entôは島の調理学校・島食の寺子屋と連携して
2年間で料理人としてプロになるコースを運営しています

今回はその第一期生であり、『離島で和食を学ぶ料理学校・島食の寺子屋で1年間料理を学んだあと、Entô Diningのメンバーになった武井さんに寺子屋での1年間とEntôで叶えたい挑戦についてインタビューをしました。

Profile:武井あさひ
茨城県出身。管理栄養士の資格を取るために4年制大学に進学。自分自身が料理をする立場になりたい、と思ったタイミングで海士町の寺子屋に出会い、海士町に移住。島食の寺子屋で1年間料理を学んだあとにEntô Diningにて活躍中。

椎茸農家さんの作業に参加中の武井さん

島食の寺子屋との出会い

ー 学生時代はどんなことをして過ごされていましたか?

高校まではバレーボール一筋でした。大学に進学する時にバレーボールを続けるのではなく管理栄養士の資格を取りたいと思い4年制大学に進学しました。管理栄養士の仕事は、病院や給食、社員食堂などで栄養を考えて献立を作り調理する仕事です。しかし、就職活動をするタイミングで自分が調理をする立場になりたい、と思い調理を学べるところを探していたところ、「島食の寺子屋」に出会いました

その時は新卒で、お金もなかったので「1年海士町の寺子屋で調理について学び、その後1年間海士町で働く。そうすれば2年間で分割して授業料を払える」という仕組みに惹かれ、そこに決めました

竹の収穫から行った流しそうめんパーティー

ー そんな制度があるんですね!
他にはどんな要素に惹かれて新卒で海士町に移住することを決めたのですか??

海士町の寺子屋では生産者さんに近いところで料理に携わることができる、という点がすごく魅力的でした。都会だと、わざわざ車で2時間かけて生産者さんを訪れて、、、みたいなことになると思いますがここでは徒歩5分の所に漁港があります。例えば、朝、漁港に訪れてから寺子屋に来る、みたいなことができるので食材がより新鮮な状態で調理ができる上に生産者さんと仲良くなれるので食材に関する知識を、経験を通じて身につけられたように思います。

実際に寺子屋のカリキュラムもとても柔軟で、一日中地域の方の田植えを手伝ったり、漁の状況によっては半日ずっと魚を捌いていたりしました。その日の天候や漁獲状況によって日々やることが変わるのは新鮮で楽しかったです。

また、「寺子屋」という名の通り、大きな調理学校ではなく少人数制で丁寧な指導を受けられる点にも惹かれました。料理は座学でも、先生の背中を見て真似る方法でも学べますが、火加減などを直接その場で聞ける授業だったのはすごく貴重だったと思います

シェアハウスもしていたので、必然的にメンバーともとても仲良しになりました(笑)

寺子屋のみんなと捌いた魚でお寿司パーティー

島食の寺子屋での1年間

ー 離島ならでは、寺子屋ならではの魅力がありますね。実際に入塾してからはどのようなカリキュラムで調理を学んでいったのですか?

大体のカリキュラムで言うと、3月後半に海士町に移住して、4月始めから授業が始まります。4月、5月は主に生産者さんのところに魚を買いにいって捌いたり、野菜を切ったりすることが中心でした。6月、7月からは離島キッチン海士での実践の授業が始まります。

毎月のスケジュールは先生が出してくださいますが、その時の旬や収穫状況、漁獲状況によって授業内容が柔軟に変わるので、大まかな予定しか決まっていません

捌いた魚のお刺身

始めは包丁の使い方から設備の使い方、また「今年の寺子屋生徒」として島の方々に紹介してもらう時間などから始まります。6月に実践授業が始まるまでは、朝8時半に同じ地域の漁港にいってその日獲れた魚を仕入れます。全員で100kgくらい仕入れる日もありましたね(笑)。

ー 少人数なのにそんなに多くの魚を仕入れるんですね・・・!その魚はどのように処理するのでしょうか??

はい、このように大量に魚を仕入れた後は半日くらいかけて全員で捌きます。その捌いた魚は島の給食センターやEntô diningに送ることが多いです。毎日、大量の魚を捌くので必然的に捌くのが上手くなっていきますし、アナゴなどの珍しい魚がはいってきて捌けたときはとても嬉しかったです。

料理の彩りに使える材料を集めています🌼

ー 生産地と密接な関係にある寺子屋ならではの経験ですね。6月ごろから始まる実践的な授業についてはどんな内容だったんですか?

離島キッチン海士という島内にある日本料理店で観光のお客様に向けて料理を提供していました。例えば、金曜日に離島キッチン海士で団体の予約が入っているとしたら、水曜日の授業から仕込みを行っていきます。野菜や魚を捌き、下処理をしておいて、当日は準備から調理、提供までを一貫して行います。お昼の予約が入っているとしたら当日は朝6時くらいに集合します。この実践的な授業では、調理から盛り付けや会場のセッティング、提供、お客様とのコミュニケーションまで経験出来ました

ー 離島キッチン海士で楽しかった経験もぜひ教えてください。

普段は島外から来る団体のお客様に対してお料理を提供することが多いのですが、海士町内でイベントがあるときは島内の方向けに料理を振る舞うんです。その時は普段の懐石料理ではなく少しエンタメ要素のある懐石料理を提供するのが新鮮で楽しかったです。

例えば、船盛を作ったり、その場で炭火焼きをしたり、かき氷を作ったり、島内の方が飽きないような料理を試行錯誤して提供していました。

島食の寺子屋チームで島の「キンニャモニャ祭り」に出ました!

寺子屋での経験を活かしたEntô Diningでの働き方

ー 教室から出て、島全体で学ぶことが多くて1年間で色々な経験が積めそうですね。その後寺子屋を卒業して、なぜEntô Diningで働くことに決めたんでしょうか?

契約では海士町で働くのならどの場所でもよかったのですが、やはり寺子屋で学んだことや料理の経験をすぐに活かしたい、と思って生産者さん側ではなく食を直接ゲストに提供できるEntô Diningを選びました

寺子屋では主に日本食を学んでいたのですが、Entô Diningでは海士町の食材を使った創作料理を提供しています。料理に関しても、サービスに関してもマニュアルはほとんどなく、比較的自由に考え、提案できるところが魅力的な職場です。

Entô Diningで料理中の武井さん

ー Entô Diningで、寺子屋での経験が役に立ったときのお話もぜひ教えてください。

はい。Entô Diningでは基本コース料理の提供でお刺身とかは出していないのですが、アラカルトの追加注文でお客様がお刺身をご希望されたときに、寺子屋で学んだ魚の捌き方や盛り付けを活かすことができました。また、生産者さんに近いところで調理を学んでいたので、魚や海士町の食材に関する知識をお客様にお伝えすることができるところでも役に立っています。

これからEntô Diningで挑戦したいこと

ー そうだったんですね。1年を通して島の食材に触れることの利点ですね。また、これからEntô Diningで挑戦していきたいことはありますか?

今はまだEntô Diningのメンバーに加わって2か月ですが、もっと島内の方にもお食事を楽しんでいただける取り組みをしていきたいと思っています。ホテルなので観光客の方がほとんどなのは当たり前なのですが、生産者の方が自分の食材がどのように調理され、どのように提供されているかをぜひ知っていただきたいと思っています。

自分は寺子屋での1年間を通して生産者の方に大変お世話になったので、もっといろんな方に食べていただきたい、と感じました。

また、寺子屋で料理を1から学んだのですが、寺子屋は日本料理が中心なので、違う料理も学んでみたいという好奇心が湧きました。なのでEntô Diningのメンバーとして冬季に参加する研修はとても楽しみにしています。

日々のお客様とのコミュニケーションやEntô Diningでの学びを通して、自分の目指すべき料理の方向性やこだわりを見つけることが次の挑戦だと思っています。

ー 武井さん、ありがとうございました。
これからのEntô Diningでのご活躍と武井さんのお料理を心から楽しみにしています!


興味を持ってくださった方へ

もっと知りたい、という方へ

  • 海士町にある「島食の寺子屋」の取り組みについてはこちら

  • 武井さんの寺子屋卒業インタビューはこちら

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