翠の憧憬🌵
甲羅かっぱらわれ
裸ん坊 人の世に
憧れていた
あのやさしい
無防備なカッパ
乾き切った人の心を
ひどく悲しみ
愛に恵まれない境遇を
ひどく恨む
途方に暮れたカッパ
仙人は情けをかけた
そのやさしさ浮世に
貴重だからオマエを
人間に化かしてやろう
彼は拒んだ
昨日の淵は今日の瀬
ボクなんかが生きれるほど…
ただ、たまに、水泳を見せたり
田植えを手伝う
それだけで今の生活に
満たされてる
憐れみなら彼に与えて
陸に上がったカッパ
新しい翠の甲羅背負い
月が浮かぶ湖に帰って
行ったそうな