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ありのままで、がんばりたい。

私は計画を立てるのが好きだ。

たくさんの選択肢の中から、自分にあった方法を探し出して作り上げていく過程が大好きだ。

ただしその計画を実行する能力は低いため時間をかけて立てた勉強計画が頓挫することは多かった。

けれど、人生計画だけは別。
10年先を見据えきちんと立てて実行してきた。

もちろん右往曲折、回り道はしたし、計画通りに行かないこともたくさんあったけれど入りたい高校、学びたい学部、なりたかった職業、全て中学生の時には思い描いた通りにしてきたのだから概ね計画を達成してきたといえよう。

途中でしんどくなって投げ出したくなっても、全部自分で決めたことだから頑張りたい、頑張ろうと思って必死にやってきたからこそ達成して来れたのだと思う。


でも。

頑張って就いた仕事は計画通りに行かなかった。

もちろん仕事だって自分で決めたこと。
追いつけるように、できるようになるために、辛くても必死に頑張ってきたはずだった。


会社の新人教育計画から遅れ、自分の思い描いていた目標も達成できず、それでも追いつこうともがいた結果、私は壊れた。

今までだって辛いことあったし、大丈夫、頑張ればなんとかなる、頑張らなきゃ、やるしかない、頑張ろう、頑張ろう、頑張ろう、、。

どうにかしないといけないという焦りから、ありとあらゆる自己啓発本に手を出した。何がなんでも現状を変えたくて、前に進みたくて仕方がなかった。


そんな時にふと目に入ったのがこの本だった。


話題になっていたのは知っていたけれど、一生懸命生きたいと思っていた私は最初手に取る気になれなかった。だって、一度きりの人生。しんどくても頑張って、悔いのないように生き切らなきゃと必死になっていたから。

でも、まぁ人気あるならとなんとなく気になって手に取ってみた。パラパラとめくった先にでてきた

自尊心が低い人たちは、自身を過大評価し、素晴らしい人間だという幻想を持っている。この幻想と現実のギャップが大きいほど悩みも大きくなるのです。

という言葉に衝撃を受けた。
それはまさに自分のことだと思ったから。

すぐさま会計に持っていき、そのままブックカフェとなっていた店内で一気に読んだ。

今まで、私は自尊心が低いせいで対人関係が上手くいかずに仕事もうまくできないと思って自尊心を上げる方法について色々試してきた。

しかし大抵が「自分を信じられていないからだ」、「自分を愛することからはじめましょう」といったことで、どうにもしっくりいかずに終わることが多かった。

けれども、自分の理想や期待が高いことを指摘されたのはこの本がはじめてだった。わたしは何の疑いもなく、他の同期と同じくらいには仕事ができるようになって当然だと思っていた。

核心を突かれすぎて、私はしばらく動けなかった。うっすらと気づいてはいたけれど同期と同じくらいという目標は今の私にとって高すぎるし、自分が思っている以上に出来ていないという事実に向き合わなくてはならないということ。

でも、なんだか指摘されてそのことを自覚したら心が軽くなった気がした。


それに、私がいつかできるようになることを夢見て必死にやってきた努力することについてこう書かれていた。

努力してもどうにもならないとか、努力した分の見返りがない場合もある一方で、努力した以上の大きな成果を収める場合もあるのです。

これだって、薄々は分かっていたことだったはずだった。天才には勝てない。上には上がいる。
でも、努力したという事実は自分の身になっておりいつか別の形で役立つ場合もある…。

努力すれば報われると思ってやるからしんどくなるし、視野も狭くなって空回りしてる状態にあると気付かされた。

マイペースで、報われるかわからないけれど出来ることを一歩ずつやっていこう。
この本を読み終えた私は、他のどの本を読み終えた時よりもなんだか前に進んでいくための手がかりが掴めた気がして、爽快な気分になった。


この本に出会って1ヶ月後の今。私は本の最後に出てきた

あきらめないで、やろうと決めたのはあなたなのです。他人の思惑やあなたに関する意見を気にしてはいけません。素直な気持ちで立ち上がりましょう。

の言葉に背中を押され、上司に仕事内容を調整してもらい無理なく仕事をすることができている。

全くもとの計画の通りにはいっていないけれど、今の選択は正しかったと胸を張って頑張っていられる。

なぜなら、

幻想を捨て、ありのままの今の姿を認め、愛しなさい

が実行できている状態だと思うから。


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