2020.08.02_モリゼミオープンレクチャー(オランダ)
今日は、モリゼミのオープンレクチャーvol.3「オランダから学ぶ気候変動との付き合い方 〜私たちは地球のために何ができるのか〜」
世界は神が作ったが、オランダはオランダ人が作った
「デンマーク」、「台湾」に続いての3回目のオープンレクチャー。
3回目になってくると、さすがに薄々感じてきている「その国のことを知る上でのポイント」
ポイントはやはり地理的条件や歴史的背景。
オランダの特徴は、「国土の20%を干拓によって手に入れたこと」と「国土の30%が海面より低い」ということ。
まさに自分たちの国土を自分たちで獲得してきたオランダ人。
そして、常に自然と向き合い自然と共存してきたのだと感じました。
ポルダーモデル
そして水と上手に付き合うために、堤防を維持管理する「ダイクラーフ(水管理員会の長)」というかなり強い権限を持った役職が置かれるが、堤防の保全作業はダイクラーフだけではできないため、階層を超えた協力や話し合いを重視する気風が生まれたとのこと。
そしてそういった気風から生まれたオランダ独特の政治・経済システムは「ポルダーモデル」と呼ばれています。
オランダの取組
そんなオランダで海面上昇を伴う気候変動への取組が進んでいるのは当然のことということで、森先生からいくつかの事例を紹介していただきました。
Aquaduct / 運河を中心に考える交通網
CIRCL / オランダのメガバンクが建てたサーキュラーエコノミー複合施設
Waag Society / 市民参加型のファブラボ
Noah / 土に還る「本当にエコ」な電気自動車
Smart Highway / エネルギーを使わずに光を発する道路
ReBlend / ゴミ箱から生まれる服
Bridge / あえて「水没する」ように建設された橋
Floating Farm Holding BV / オランダの「水に浮く牧場」
De Ceuvel / サーキュラーエコノミーの実験区
これらの話を聞いていてなんとなく感じたのが、「しなやか」とか「柔軟」といったイメージ。
既存の凝り固まった概念にとらわれるのではなく、「自然と共存」するため、「環境」のため、「未来」のためにできることを考えながらチャレンジされているように感じました。
私たちはオランダから何が学べるだろう
最後に森先生からの問いが。
この地球を次世代に受け継ぐために、
私たちはオランダから何が学べるだろう
ここで森先生がおっしゃっていた「自分が生まれてきた時よりも死んだ時に地球がちょっと良くなっていれば」という言葉がすごく心に残りました。
確かに遠足に行った時には「来た時よりも美しく!」と言ったりしますが、それを地球規模・人生規模で考えたことはありませんでした。
そういった観点から何が学べるか考えた時、未来のための小さな一歩を踏み出し続けること、短期的には効果が現れないことでも未来のために継続すること、そして継続するための持続可能な仕組みを構築することが大事だと思いました。
ちょうど昨日、某所で聴いた120円Jリーガー安彦考真さんの言葉が思い浮かんだので紹介します。
100年後の日本がどうなっていればいいか。
息子や孫は自分が支えることができるが、ひ孫の代には自分はいないので絶対に助けてあげられない。
今からひ孫に責任を持てる生き方をしたい。
すごく遠い話かもしれないが、100年先を想像して僕らができることを考えたい。
では何ができるか。今この瞬間にベストを尽くすしかない。