「We Make A Sustainable Impact」 ~自分たちの仕事には世の中を持続可能にするチカラがある~
泉興業株式会社
代表取締役社長 泉原 久人さん
昭和50年に産業廃棄物の収集運搬業として現・代表取締役会長の泉原保二さんが設立。現在では、阪神間を中心に支店・営業所を8カ所、関連会社6社を擁し、「資源循環・廃棄物処理」、「水資源・施設運転維持管理」の2本柱を軸に、地域の環境社会インフラを支える企業として幅広く事業を展開している。
■ベストソリューションを提案
同社の強みは、小型から大型まで100台以上の運搬・特殊車両並びに自前の保管処理施設の所有、取得している許認可の豊富さ、連携するパートナーの存在などが挙げられる。
社長の泉原久人さんは、「取引するお客様のニーズは多様で、日常の生活ごみ収集から、液体、粉体など様々な形状や性質のものを取扱います。運搬・特殊車両を豊富に揃え、自前の処理施設を構えるとともに、環境関連の法規制に対応できる許認可を多数取得していることで、廃棄物処理に関する多くのニーズに応えることが可能となります。また、同業者と幅広く協力体制を構築しているので、当社だけでは対応できないこともパートナーシップ先と最適な処分方法を探り、お客様にとってベストソリューションを提案・提供します」と語る。
また、県や阪神間の自治体から浄化センターをはじめとする高度な資格・技術を必要とする施設の運転維持管理を長年にわたり受託するなど信頼も厚く、的確な仕事ぶりが評価されている。
■SDGsへの取組み
持続可能な社会の実現を目指す同社では、事業を通したSDGsの活動にも力を入れる。
「産業廃棄物を徹底的に分別することで、再生可能なものについては中間処理を行い、製紙工場などで使用される固形燃料(RPF)や堆肥原料など・バイオマス発電用燃料となる木質チップなどの再資源化を図り、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に貢献しています」と泉原さん。リサイクルができず、そのままでは焼却や埋め立てが困難なものは、周辺環境に影響を及ぼさないよう適正に処理することも重要。一定の量を超えるものについては、トラックの輸送から自社岸壁を利用した船舶の運搬へモーダルシフトを行い、エネルギー消費量の減少、環境負荷の軽減を図る。
「当社の仕事そのものがSDGsに関連しています。水と廃棄物という資源の循環を通じてSDGsの目標達成に向けた貢献をしていきます」と力を込める。
■来年創立50周年を迎える
事業の特殊性から人材確保が課題であったが、2年前に泉原さんが社長に就任してから従業員ファーストを打ち出して、働きやすい職場環境を整える。
安全の確保を第一に、給与体系・年間休日の見直しや有給休暇を取得しやすい職場風土の醸成を図って、社員の定着を図るとともに、女性にとっても働きやすい環境づくりを行うことで女性従業員も事務員・作業員ともに増えた。社内のDX化も進め、勤怠管理はもちろん、運転手のアルコールチェックもクラウドで記録を残すようにして不測の事態にも対応する。産廃を取り扱う業務の関係上、お客様と処理委託契約することが多く事務負担が大きかったが、電子契約システムを導入し、効率化を図り残業も減ることで従業員のワークライフバランスにも好影響を及ぼしている。
スローガンに「We Make A Sustainable Impact ~自分たちの仕事には世の中を持続可能にするチカラがある~」を掲げる同社。来年の創立50周年を迎えるにあたり、更なる飛躍に向けた体制づくりに余念がない。
※尼崎商工会議所所報「あくしい」2024年9月号より一部追記・加工して掲載