雨傘筆録

お目にかかれたぜ

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最近の記事

【令和五年】年末所感

あと5分でこの年が終わる。 本当は年末に余裕をもっていろいろと書き連ねた文章をnoteに投稿するつもりだった。だが、机に向かって間を置くことなく気づく。なにも浮かばない。 浮かばないので当然文章も書けない。それっぽい言葉を羅列してから諦めた。 無理やり書いてもと思ったので放置していたら、いよいよこの年が終わってしまうときになった。この一年、ずっとそうだった気がする。 焦っているのに、私の脚はずっとスローモーションに映っている。 内側だけが焦って、焦って、外の世界へ出力され

    • 【感想】短篇映画『undo』を観た

      1994年6月4日公開/45分 ネタバレについて配慮しておりません。 未視聴の方はお気をつけください。  劇場版『NIGHT HEAD』がおもしろく、豊川悦司の他の役柄がもっともっと観たくなって借りてきた作品のひとつ。 「ちゃんと縛ってよ」 私ができる想像の範囲外のことはこの世の中にたくさんあるに決まっていて、だからこういう愛もあり得るかもしれない、と画面を観ながらしばらく思っていた。でもやはり観るにつれて思ったのは、愛というのは一歩間違えるとかなしい狂気になってしまうと

      • それぞれの映画が持っている記憶

         我が家のテレビのレコーダーには映画がたくさん録画されている。 母が毎週欠かさず番組表をチェックし、興味のあるものをどんどん録画していくのだ。 リビングにあるテレビから、録画された映画が流れている。 「あ、また始まった」と思い、 私はそれをチラチラと観つつ、意識は手に持つスマホに注がれている。 そのままかと思いきや、映画も中盤にさしかかると、 やっぱり私はテレビの画面を食い入るように観ているのだ。 映画の面白さもそうだが、理由はもうひとつある。 母と私が興味をもつ映画は、

        • 【日記】散歩をしようよ

          散歩というのは 「よし、歩こう」と思うと、 その足で家から出てそのままの勢いで出来そうなものなのだが、 あろうことか私の場合は 「よし、歩こう」と思うと、数ヶ月が経っているのだった。 朝ぱっちり目を覚まし、カーテンを颯爽と開け、日光を全身に浴びて水をぐいっと一杯飲むと家から快活に飛び出す自分の姿。家に帰ったら優雅な朝食をおいしく食べて…めくるめく妄想が脳裏を駆け巡り、ふと目を開けて少しの期待と大きな不安を抱えながらチラと時計を見るとやはり、 ギャア!と叫びたくなる時間を針は

          【感想】映画『青い春』を観た。

          はじめまして。 記事を見てくださってありがとうございます。 ※ネタバレに配慮しておりません。本編の展開についても書いておりますので未視聴の方はご注意ください。 寒い。 外に出たら金木犀の甘い香りが鼻を撫でて 「あ」 と思ったのは何日前かなあなんて思っていると、今度は 「十年に一度の寒波」 という言葉が耳に入って、カイロを肌着に付けたら、そのまま寝てしまう。 朝起きてヒリヒリと痛む低温やけどの跡を見たそのとき、ようやく冬に目覚めるような毎日を過ごしている人間が好きも嫌いもこの

          【感想】映画『青い春』を観た。