フリスビードッグvol.6　振り返り

　毎月新ネタ5本ライブ6回目。これで30本ネタをおろしたことになる。

　「そんだけ作ったんだから今年勝てるネタできたんじゃないですか〜？」とマイクを向けられても、謙遜ではなく「どーなんですかねぇ」という他人事のような感想しか出てこない。ライブで披露するたびに「あれいいネタだね。」と褒められるネタはできたが、それが賞レースに耐えうるものなのかの判断が全くできない。なんせ去年1回戦で落ちているから。流石に1回戦は超えるだろうと思って臨んだくせに落ちているから。恥ずかしい。あとから聞いたら「デスゲーム」というありふれすぎた設定のコントを披露した時点で問答無用で落とされるなんていう噂があったので、完全にネタ選びをミスっていたのだけれども。

　そんなこともあり、「何が賞レースで勝てるネタなのか」の判断が自分にはできないので、先輩・同期・後輩どなたでも「あのネタがいいよ！」と思ってるネタがあったら会った時ガンガン意見をください。めちゃくちゃ参考にしますので。
　逆に人のネタの相談に乗るのも大好きなので、言ってくれたらがっつり考えるよ。うちら仲間じゃん。

　まぁ8月からフリスビードッグを始めて、新ネタをがむしゃらに作ってはきたけど、正直こっからはどれだけ仕上げられるかの勝負な気がしている。なんならそこが一番の課題なんですよねぇ。自分らは初めにおろした状態からマイナーチェンジはあるものの、ガッツリ展開を変えたり、何十・何百とボケを考えて入れ替えるようなことはこれまでしたことがない。（「仕上げる」という作業がとても苦手。新ネタを考えるは楽しいけど、既存ネタを修正することにモチベーションが湧かない。みんなもそうじゃない？）

　そんな苦手な「仕上げる」に向き合わなければならないこともあり、フリスビードッグは次回で一旦終わり。あと普通に毎月新ネタ5本は気が滅入る。ほーーーんと嫌になる。自分のネタの書けなさがほーーーんと嫌になる。これ以上続けると芸人自体嫌になりそうなのでここらで逃げる。初めは「まぁ10回はやりますか」なんて調子こいたnote書いてたけど、7回でとんずら。3回巻いてダッシュで逃げます。まぁ自分の限界が分かっただけでもやった価値はあったかもしれない。ポジティブにいこうね。

　さて、今回作ったネタに触れると、最近キャラキャラで攻めて展開・構成が自分の中で疎かになっている感覚があったので、一旦ベタなシチュエーションに戻してみようという

　あーーーー、またオープニングで注意事項言い忘れてたーーーー。今これ書きながら気づいてしまった。ダメだ。もう新ネタのことでパンクして余裕がなくなってる。よーーくないね。もしまた写真撮りたかったのに撮れなかった人いたら謝ります。本当にすみません。

　でネタの話ですが、今回は初心に戻ってベタなシチュエーションに戻してみようという試みが自分の中であり（拷問・ちょっと待った・給食費が盗まれたとか、コントでやり尽くされたベタな設定）、やった感想としては、やっぱりシチュエーションベースで作ると、どれもキャラを出し切れない不完全燃焼なネタに終わってしまったなという印象。自分が本当に「面白い」と思うタネから広げる、という作り方ができていないのでやっていても身が入りにくいし「こういう展開なら盛り上がるかな」みたいに展開優先で考えてしまうのも良くないところ。

　あと素の自分に近いキャラでコントをやると、自分が思ってるより変わったことや狂ったことをやらないと単にモラハラ上司感が強くなるのはホント気をつけないといけない。いつまで経っても自分の見た目や雰囲気を活かしきれない。ないものねだりだけど、背が小さくて舐められやすいルックスをしていてキャンキャン大声で毒舌吐いても笑いになるような、そういう人にとてつもなく憧れがある。自分がそれやったらピリつかせるだけなんだよな。それが原因で平場でも発言が怖くなってるところがある。大声を出すとピリつかせる。誰かを責めると怖いと思われる。チョけても「え、そういうことするタイプなんだ」と場が白ける。見た目を活かした発言がしたい。それが何かが分からない。誰か教えてくれ。
　昨日見たチョコプランナーでオリラジさんが1年目でいきなりブレイクしてMCやることになって、事務所から「さんまさんの番組全部チェックして発言を文字起こししろ」って言われて実際やったなんて言ってたけど、平場もそれくらいの努力が必要なんだろうな。そもそも自分は素のポテンシャルでいけるタイプじゃないしなおさら。

　今回作った5本を振り返る。（毎度のことだが、どこかでこれから披露する可能性があるので設定の詳細は伏せる。）
　見にきてくれた方だけ、「ふむふむ」と読んでくれたら嬉しい。

1本目「拷問」

　拷問される外国人と通訳のネタ。5本の中で一番最初にできたネタ。初めこのネタを思いついた時は「いいじゃんこの設定」と深夜に小躍りしてささっと台本を書き上げたが、一晩経って見返すと色んな矛盾点が見えてきて、あれ、これダメじゃね、とがっくし肩を落として、結局納得しきらずにリミットがきて披露。設定にちょいと強引なところがあるのと、過去にも相方が外国人に扮してツッコませるネタは何本か試したが、これがあまりハマっていない気がする。ただ構成はパキパキしてるのでどこでも平均点は叩き出せそうなネタではある（爆発はしないけど、ドンずべることはないという意味）。ちなみにテレビ番組のオーディションで外国人に扮してカタコトで話すネタをやったらコンプラ的にアウトと弾かれたことがある。カタコトダメらしいよ今のテレビって。賞レースは知らんけど。

2本目「ちょっと待った」

　戸塚見学シリーズ第2弾。合コンのネタのシチュエーションを変えたバージョン。合コンのネタの面白さを再現したかったが、いかんせん合コンのネタが良すぎるので、どうしても下位互換になっている印象。ライブ後に徳原旅行さんにも言われたが、チェックシャツをシャツインするのは流石に前時代のオタクすぎて作家や審査員からも嫌悪感を抱かれそうなので、服装は考え直す必要あり。（ちなみにそれを受けて昨日のライブでは、シャツをズボンから出しボタンを一つ開けて試してみたが特段反応は変わらなかったので、やっぱ服装はもう少し変えても良さそう）
　最近はキャラコントが一番やっていて楽しいし、他のコント師と差別化できると考えているけどまぁむずい。合コンのネタも結局設定がいいから成立しているんだよな。

3本目「特殊能力」

　ある日目を醒ますと特殊能力が身について、というネタ。
　これはね〜〜〜〜〜〜、もうひとアイデアあれば、めっっっちゃいいネタになりそうな予感がしてる。過去にこの予感があった時は大体漏れなく勝負ネタになってるので期待値は高いネタ。ただ今回はその１アイデアが思い付かず、手軽に笑い取れそうなガッツリ下ネタに寄せてしまった。恥ずかしい。これまで音ネタ？をほぼやってこなかったので、そういう意味だと今回のチャレンジ枠。養成所の時から事務所のカラーとして、小道具なし・音なし、体一つで笑い取れるようになれ、と教育されてきたけど、もっと音も使っていきたいっすねぇ。今回安易な笑いのために戸塚を雑に使ってしまったのは悔しいところ。

4本目「草野球」

　野球のユニフォームを着た男女がグラウンドに立っているところから始まるネタ。
　設定でいうと今回一番好きなネタ。ただ、こういう女性役の相方を無理やり巻き込む系のネタの時、展開がいつもワンパターンになるのがほんとよくない。設定バラシで驚かせて、小ボケで繋いで、いやいや言っていた相方が最後はこっちの味方になる。全部このパターン。自分の引き出しの少なさにゲンナリする。過去に「レンタル彼女10人呼んで人狼ゲームする男」っていうネタをやったことあるけど、ほぼそれと同じパターン。他の芸人さんのネタを見ると、こういう巻き込まれる側の人にもちゃんと思想や性格があって、その人から出てくるワードや行動でも笑いが取れる構造になっていることが多いけど、うちはそれがない。一方的に何かを押し付けてそれに対してただリアクションするだけ。相方にどうキャラ付けしていくか、これが課題。
　1年目は設定＋相方のリアクション、2〜3年目は自分のキャラをベースとしたネタを作ってきたので、4年目は相方のキャラの掘り下げが課題になりそうだなぁなんて思ったネタ。

5本目「ホームルーム」

　赴任初日の先生からクラスのみんなに大事なお知らせがありますと言って始まるネタ。
　このライブが始まった時点でネタは4本しかできておらず、3本目のネタと4本目のネタの間に書き上げたネタ（ホントよくないよね）。ざっくりした設定だけメモにあって、ライブに出てくれたセンチメンタルズの大貫に相談して一緒に展開とか考えてもらって無事披露できた。大貫ありがとう。
　ただ蓋を開けたらこのネタが一番いいと言ってくれた人が複数いたので、こっからちゃんと仕上げてみようと思う。今の状態だと先生の「なんやねんこいつ」感が強すぎるのと、相方がただのツッコミマシーンになってるので、もっとボケの大喜利を強くするのと相方をどう巻き込むかが検討事項。

　バカ爆杯、Under5、ダブルインパクト、ABC、キングオブコント。こっからわらわらと賞レースが始まってしまうのだけれども、今年はどれか一つでも良いので納得できる結果を残したい。というか、芸人をやっている目的が今それしかないから。

　ツギクル、NHK。ここはマネージャーに選んでもらえない限り予選にすら出場できないのでまず選ばれたい。過去予選にすら呼ばれたことがないので。ただこの辺は前年度に賞レースで結果残さないと選ばれない印象があるので来年かなーーー。今年はまだ選ばれる可能性低そう。

　次回（最終回）のフリスビードッグは3/27(木)。
　あ、ちなみにフリスビードッグが終わっても主催ライブは何かしら新しく始めようと思う。フリスビードッグきっかけで自分らのことを知りライブにリピートしてくれる方々も増えたし（本当にありがたい限りです）、自分らが自由にやれる場は継続して残して行きたい。

　とりあえず来月で一旦終わるので、最強ネタ思いついてくれ自分〜〜〜〜。