おっさん昔語り -音楽編-(4-1) 高校1年〜3年
前回の「音楽編(3)」では、それまで
J-POPしか聴いてなかった当時の自分が
偶然の出会いでテクノポップ、テクノに
出会って沼にハマっていく端緒を
書いたけど、今回はそれが進んでいく話。
ちなみに、それ以降J-POP全く聴いてない
ような書き方に見えるかもしれませんが
そんな事はなくて、というよりも当時は
音楽番組がテレビ(ラジオともに)で
全盛で、かつマスメディア以外の
情報媒体がなかったので、流行の
歌謡曲などは目を瞑り耳を塞いでも
洪水のように流れ込んでくるもので、
好む好まざる関係なく全部入ってくるし
脳みそに刷り込まれる訳ですよ。
当然好きだな、いいなと思う楽曲も
多くあったから、覚えてる楽曲はある。
当時は誇張なくみんな流行歌のサビぐらい
高校生ぐらいの若い世代なら全員歌えて
当然の時代だった。今みたいに細分化
されて誰が何を聴いてるか分からない
ような時代じゃなかったんです。
そんな中で、ただ聞き流す曲、おカネ
払ってカセットテープや(当時出てきた)
MDに録音して聴く曲、そしてCDを買って
聴く曲という明確な区別はあった。
今みたいにストリーミングやサブスクの
ある時代じゃ無いし、当然youtubeなんて
存在しない時代。周りが割と財布の紐
緩めに音楽にカネを出していたのに対して、
俺はかなりシビアに評価していたと思う。
当時の個人的な状況に関して言うと、
高校受験が終わり精神的、時間的に
余裕は出来たし、(贅沢にも)都心の
私立に通い始めたゆえにターミナル駅
近くの大型外資系CDショップや
品揃えのいい中古CD屋へのアクセスが
格段に良くなり、好んで聴くジャンルの
「深掘り」を始めた時期でもある。
中2の中頃から聴き始めたYMOや
P-MODELに関しては、音源を探せる限り
探した他、派生作品(いわゆるソロや
ファミリーと呼ばれる関連する
ミュージシャンの作品)を漁りだしたん
だけど、その頃にマスメディア上でテクノ
ユニットとして存在感を示してたのが、
電気グルーヴだったんですよ。
電グルの曲で一番最初に聴いたのは確か
「スネークフィンガー」。テレ東の
「浅草橋ヤング洋品店」って番組の
メインテーマで流れてて、イメージと
してはスチャダラパーとかに近い
ヒップホップユニットだと思ってたん
だけど、俺が中3の頃かな、アルバム
「VITAMIN」・シングル「N.O.」で
アシッドハウスに振ってきて、一気に
見方が変わったし、実際売れてたんだよね。
そこからは折りに触れてずっと聴いてる。
好きなアルバムは「ORANGE」「YELLOW」、
曲では「Nothing gonna change」
「Missing Beatz」「The Words」など。
あと、前回の「音楽編(3)」でも触れた
ピコエンタテインメントという雑誌に
載ってたことで存在を知ったミュージシャン
として一番衝撃的だったのがKen Ishiiね。
ネットも何もない当時に「日本のテクノ
DJがベルギーでデビュー」ってのが
衝撃的で、どんな音なのかと思い、
やっとの思いで「Garden on the Palm」
という彼のデビューアルバムを手に入れて
聴いて、それで度肝を抜かれたんですよ。
今だったら珍しくも無い打ち込みかも
しれないけど、93~94年当時のポップス
寄りのテクノやハウスしか聴いてなかった
自分にとっては、こんなにも「内に篭った」
クラブ寄りの音があるのかと、もう
カッコ良かったし、憧れに近いものがあった。
Ken Ishiiと言えば「EXTRA」だし
「Jelly Tones」以降のMAXIシングルは
俺の中の「青春の曲」なんだよね。
高校時代の鬱屈とした自分を思い出す。
同級生がミスチルやB'zなどを聴いてる中で
一人MDで「EXTRA」とか聴いてるから、
そりゃクラスの連中と音楽の話なんか
合うはず無かったんですよ。ちなみに
ケンイシイで好きな曲は「Let it All Ride」
「Echo Exit」「ICEBLINK」など。
あと、ケンイシイと関連する話で言うと、
当時ケンイシイの日本での所属レーベル
だったキューンソニーのキャンペーンで
「TECHNOMAN」ってのがあって、
対象商品を何枚か買ってパッケージ外の
応募券をハガキに貼って送ると景品が
当たるってのがあって(古過ぎるけど、
当時はそれが当たり前だったのよ)、で、
パスケース当たったよw
このキャンペーンはケンイシイ以外の
当時のデトロイトテクノやハウスの
音源に数多く触れるキッカケになった。
見識を広げるためにはこういう
キャンペーンって意外と効果的なのよね。
この時聴いた(買った)曲の中で一番印象に
残ってるのはSeefeelっていうユニット。
当時はまだ理解しきれなかったけど、
すげえカッコいいって感じたことだけは
強く覚えてる。アンビエントなのか
ポストロックなのか、ジャンル分けは
明言出来ないけど。
それと、ここまで全く触れなかったけど、
YMOなどのテクノポップを掘り下げると
当然通るのがKRAFTWERKですよね。
俺が中学の頃は、91年の「The MIX」が
出たばかりの頃で、俺はハウスの文脈で
この傑作アルバムを聴いてたんですよ。
そこから遡って、テクノポップの
古代遺跡に触れていったの。
余談。年代は跳ぶけど、俺過去1回だけ
クラフトワークのライブ見に行ったこと
あるんだよね。wikiで調べたら
2013年だった。赤坂BLITZで、
アルバムごとの公演だったんだけど
全部行くようなカネは無かったので、
一番好きな「Technopop」(旧題
「Electric Cafe」)の公演を見に行った。
オールスタンディングの中、目の前が
190cm以上ありそうな大男で、ステージ
全然見えんかったw ぎゅーぎゅー
詰めで移動も一切出来ず、大男の
背中だけを見つめながら意識が
遠のいていったわ。悲しい思い出よ・・・
今回はだいぶ長くなったので、上記以外の
当時聴いてたミュージシャン、ユニット
などについては(4-2)で触れます。
続きの記事「-音楽編-(4-2)」
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