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担当が付いた!と喜ぶ新人作家の方へお伝えしたいこと

・その担当さんと知り合う経緯に気を付けましょう

私も漫画描きの端くれですので(このnoteとペンネームは違います)運よく結構な数の編集さんと関わった、担当さんと打ち合わせなどをした経験から描きます。

まず直球で申し訳ないですが、

漫画家募集などで応募して担当さんが付いた場合、ダメな編集さんはこの言葉を高確率で発します。

「そちらから応募してきたのだからなんたらかんたら(=苦労してこっちを納得させるべき)」

・・・と。

???

募集したんそっちちゃうんかい・・・??

って思いませんか?

募集と書くだけでわらわら寄ってくる作家はまさに替えのきくコマ。自分の思う通りの企画提案(プロットやネーム)を出さなければどうでもいい。

「コンペ次第です」という非常識なこともさらっという編集さんも増加しました。
まさか作家ではなくコンペにかけるコマを募集していたなんて思わんでしょ?

なぜこんなことが言えるかというと
①金銭が絡む契約をしていない
②相手のふところ(=時間や消耗など)はどうでもよく、自分のサラリーが第一

作家の働き方は(フリーランス法がやっと確立されそうですが)全く変わっていません。土日もありません。しかし働き方改革で編集さんは就業時間などが厳しく管理されます。

貴重な就業時間内で成果を出すためには作家へ数撃ちしてふるいにかけて残りを育てるのが一番早いと考えるのは当たり前なんです。

当たり前と書きましたが、こんなのを中小の出版企業でやってると絶対に売れません。売れる要素がないからです。
だって、
そんな儲けと効率第一主義な人たちがエンターテイメント性で勝負できると思いますか?キャラクターたちの繊細な感情を理解できると思いますか?
理解できる!切り替えができる!などの最強の脳みそを持っているなら大手出版でバリバリ働いてるんじゃないですかね。

反面、

スカウトならその辺は全部すっ飛ばしているので、そういう編集さんと当たる確率は低いです。

なぜなら最初から向こうから依頼してきているからです。
何々してくださいにもすべて代金が発生します。

どういうことか?
まず最初に注意ですが
依頼がきても、「やった!チャンスだ!無償で何かしなきゃいけない!

・・・と思わないほうが良いです。自分の中でボーダーを決め、例えば企画提案を2回までして全ボツならここから先は有償にするなどは全然アリです。それで関係が切れたらそこまでです。

これはかなり勘違いしやすいのですが、

そんな無償でなんでもかんでもやらせる出版社や担当さんとこの先上手くいくと思いますか?

根性で耐えるとかそういう問題ではなく、これはビジネスです。ビジネスでこちらのふところを無視する相手とはうまくいくわけがありません。

以上のことを理解して依頼してきている可能性が結構高いので、内容や態度に納得できるのでしたら、ある程度は信頼できる編集部であると言えるでしょう。

ただ、向こうから企画を持ってくるので当然「こういうのを描けますか?」や「こういうのを描いてほしいです」と聞かれます。
どうしても商業をしたいならそのニーズに応えるように絵柄や作風などを変える覚悟をしてください。
これは依頼を受ける側として作家の義務です。

・ダメ編集者を見極める

以下の言葉を出す編集者は大体漫画のことが分かっていません。

・そのジャンルは触れたことがないので~
→漫画編集は漫画のプロ。なのに知らないジャンルがあるってどういうこと?専門分野と無知識は別問題。
・この部分は何を示しているのですか?
→考える前に相手に聞くのが当たり前だと思っている。作品へ共感する気がない。
・(企画やプロットなどに)共感できない、面白味が感じられない
→それは感想。感想を言うならだれでもできる。そこを二人三脚で改善、代案などを作家とひねり出すのが編集。
・時間が無いので~
→作品をつくるのには膨大な時間がかかる。作家だけにそれを負わせようとする典型的サラリーマン(=漫画に関わるコトがどういうことか分かっていない)。
・これは売れ筋ではないので~
→そういう情報は先に言うべき。打ち合わせが下手くそ&相手のことを全く考えていない。
・担当している作家さんがほかにも多くいて~
→打合せ中に他の作家さんのことを考えるのは失礼だと思っていない。ネームなどを読む時も他作品のことを考えているか、比較して考えている可能性が高い。

そして個人的に最も警戒すべきは
・○○を期待したんですけどね~
→エスパーを求めるな。欲しいものがあるならあらかじめいうのがビジネス。サプライズは基本的に無い。無償状況ならなおさらであり、モンクラに等しい行為。

・担当は敵ではないが、味方になってくれるかどうかは別問題


SNSで一部のプロ漫画家が言っていると思いますが、
「あれこれ手を尽くして担当さんに納得してもらえるように企画を練り込むのが大事」というニュアンスの言葉。

それでは担当さんだけへの作品に仕上がります。

確かに担当さんがGOを出さないと編集会議に持って行ってもらえません。しかし担当さんを納得させることに重きを置くとエンドユーザーより担当さんが先行・・・下手すると供物をささげる信徒状態になります。
よしんばGOが出ても編集会議でボツか代理原稿、読み切りどまりでしょう。敵ではないですが、味方では絶対ない状態です。

現代の漫画はとにかく何がヒットするか分からない状態です。味方とまではいかなくても作家へ寄り添い、ある程度エンドユーザまで見ている編集さんは必ずと言っていいほどこの行動をします。

会議に出してみる

出します(確定)ではなく、出してみます(挑戦)です。自分が納得するボーダーと会議などで求められるボーダー、エンドユーザのボーダーすべてが違うことが分かっているからです。

少なくとも味方になる気がある行動です。

・まとめ

色々書きましたが、要は

こちらへデメリットを感じさせるor与える行動を行う編集者さんは警戒したほうが良い

そういうことが伝われば幸いです。


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