最近の一手損角換わり事情

どうも、天神八潮です。
今回は最近の公式戦を見て思ったことを書いていきたいなと思います。
※この記事は作者による勝手な想像によるものなので説明が適当でない可能性があります。その場合は『変なこと言ってらあ』と流しておいてください。

あまり現れなくなった4手目角交換

近年の一手損角換わりといえば後手が最速で角を交換する4手目角交換が主流になりつつありました。

四手目に交換する一手損角換わり

これは飛車先を突く手も省略することで先手の早繰り銀に対する受けに全力を尽くすような作戦で、角交換振り飛車を見せることもできるためここ最近はよく指されていました。実際、従来の7七銀・7八金と7七銀・7八玉の早繰り銀にはこれが有効で丁寧に指せば互角にすることができていました。(詳しくは将来投稿されるであろう一手損角換わり解説にご期待ください)
しかしここにきて新たな早繰り銀が出てきました。

8八銀型早繰り銀の登場


これが新たに出てきた早繰り銀です。局面は例の一つですが、ここから▲3五歩△同歩▲同銀と攻めて既に先手の作戦が成功しています。
この8八銀型早繰り銀が強敵でこのような最速の仕掛けの他にも持久戦にシフトしたり、対早繰り銀に意識を集中させておいてから棒銀で攻めるのようなこともできるなど先手は自分の好きな形・タイミングで攻めることが可能で非常に優秀な作戦となっています。プロの実戦でも形は違いますが4手目角交換型対策として頻繁に登場していて、実際先手の勝率が良いので後手としてはこの8八銀型早繰り銀をどうにかして防ぎたいものです。しかし4手目に交換するとなると避けて通ることはほぼ不可能です。よって確実に8八早繰り銀を防ぐために最近は8手目角交換や6手目角交換が主流になり4手目角交換は目に見えて減っていきました。


6手目角交換型一手損角換わり
8手目一手損角換わり

終わりに

最近再び一手損が増える気配がしています。特に自分は今年デビューした高橋四段がデビュー戦とその次の対局で一手損角換わりを連続して採用していて個人的には今とても推している棋士の方です。
一手損角換わりは実際プロ間での今年(2024年7月末まで)先手勝率が約7割と後手が苦戦しているのも事実ですが同時にスペシャリストであれば振り飛車のように経験値でリードすることができる戦型です。この記事を読んだ気に、皆さんも一度指されてはいかがでしょうか?
それではまた次回!!

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