【キーワードは消費から共感へ】イマドキ大学生のエンタメコンテンツへの接触実態に迫る!
全国500名の大学生と一緒に「エンタメ×若年層」事業をつくるAmaductioNが独自に調べた、学生へのアンケートをもとにした調査レポートを記事にしていきます。
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こんにちは!
AmaductioN大学生総研ライターの むらせ です。
みなさんは日常生活でどのようなエンタメコンテンツに接触していますか?
最近、AmaductioN大学生総研の学生メンバーでは、動画配信サービス「Netflix」のオリジナルドラマ『梨泰院クラス』が大流行しています。
口を開けば『梨泰院クラス』のことばかり。
普段の会話はその話題で、もちきりです。
僕もその話題に乗り遅れないよう、睡眠時間を削りながら、急いで全話見たのですが非常に興味深かったです。
友人と同じ話題で共感できるのは盛り上がりますし、周りの友達にも面白さを伝えてみようと思います。
今回は、デジタルネイティブであるイマドキ大学生の「エンタメコンテンツ」の消費の変化について紹介します。
「エンタメコンテンツ」が溢れかえっている2020年。
一昔前に比べると特に大学生においては、エンタメコンテンツへの触れ方そのものに変化が見られるようです。
『梨泰院クラス』については別の記事で紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください。
ミーハー続出?学生が「映画」を見る動機は「共感」
まずは、接触の仕方が変化しているエンタメコンテンツを3つ紹介します。
1つ目は「映画」です。
今回は、AmaductioNの大学生コミュニティを対象にアンケートを実施しました。
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回答期間: 2020年5月22日〜25日
回答件数: 200件(男性35件/女性165件)
対象者 : 全国の大学生、大学院生
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まずは、最近映画館で見た映画作品について質問をしてみました。
1位は『天気の子』で40票(20%)、2位は『アナと雪の女王2』で21票(10.5%)、3位は『パラサイト』で19票(9.5%)でした。
どの作品もSNSや口コミで非常に話題になりました。みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか?
僕はこの1年間で『天気の子』『パラサイト』『ジョーカー』の3作品を実際に映画館で鑑賞しました。映画館に直接足を運んだ理由は、どの作品も口コミで話題になっていたためです。
この事実から、最近の大学生の話題の映画を見る動機は、「他者との共感コミュニケーションにつながるため」であると推測しました。
現代は、映画館に足を運ぶ理由として、映画そのものが好き、映画を見たいというよりは、映画を見たことを口コミやSNSで「他者と共有する」ために足を運んでいるという人が多いのではないでしょうか。
これは特に生まれた頃からSNSが広く普及していた「デジタルネイティブ」な大学生世代ならではの理由であると考えられます。
「マンガ」への接触手段は「冊子」から「電子書籍」へ
2つ目は、「マンガ」への接触の仕方について。
みなさんもご存知の通り、「マンガ」をはじめとする書籍の購入が減少傾向にあります。
画像出典元:https://www.ajpea.or.jp/statistics/
では、そのような変化が起きている要因は一体何なのでしょうか?
大学2年男性のMくんによると
「1つめは、お金がかかるから。学生になって自由度が上がり、お金を使える対象が増えた。他のものにお金を使うことも考えると、どうしてもマンガにかけられるお金は少ない。単行本1冊は約500円くらいするので、それを何十巻もそろえるとなると費用が大きくなる。」
「2つめは、読むのに時間がかかるから。セリフを一つ一つ目で追っていくのには時間がかかりますし、授業にバイト、サークル活動など忙しい大学生はまとまった時間を見つけるのは大変。その点、アニメだと食事など別のことをしながらの「ながら鑑賞」が可能なので、マンガを読むよりアニメ化されたものを見てしまう。」
と教えてくれました。
マンガを冊子で読むのはコストと労力ががかかると感じた結果、冊子を購入してマンガを読む大学生が減少しているようです。
確かに、電子書籍はスマートフォンで見ることができるので、冊子よりも手軽に見やすいのかもしれません。
では、大学生はどのような手段でマンガに接触しているのでしょうか?
その1つは、「電子書籍サービス」です。
こちらをご覧ください。
どのくらいの人が電子書籍に触れているかを性別、年齢ごとに調査したグラフです。
インプレス総合研究所『電子書籍ビジネス調査報告書2019』
性年代別電子書籍利用者数
参考元:https://research.impress.co.jp/report/list/ebook/500711
これから、非常に多くの人が電子書籍に触れていることがわかります。
特に、20代の男女どちらも50%を超える人が電子書籍を利用していることから、大学生にとって電子書籍は馴染みのあるものになっていることがわかります。
続いて、具体的にどの電子書籍サービスを利用しているかを調査しています。
参考元:https://research.impress.co.jp/report/list/ebook/500711
電子書籍サービスの中でも『LINEマンガ』『少年ジャンプ+』『comico』など、マンガを読むことができるサービスの利用者が多いことがわかります。
電子書籍アプリは無料で読めて、かつスマホがあればいつでもどこでも見られるので、多くの人が利用しています。
「デジタルネイティブ世代」である大学生において、より効率よく、手軽にマンガを楽しむため、冊子→電子書籍への移行はますます進むのではないかと思います。
イマドキ大学生のゲームの楽しみ方は「鑑賞」!?
最後に3つ目。「ゲーム」への接触の仕方の変化を紹介します。
みなさんは「ゲーム実況」というワードをご存知でしょうか?
インフルエンサーやYouTuberがゲームをプレイしている様子を視聴者は「鑑賞する」だけの動画です。
ゲームは実際にプレイするのが醍醐味と思っている方も多いのではないでしょうか?
近年、ゲーム実況の人気は拡大し、実況者のなかにはYouTubeのチャンネル登録者が280万人を超えている人も。
今や、ゲーム実況はひとつのエンタメコンテンツになっています。
国民的YouTuber「HIKAKIN」のゲーム実況チャンネル登録者数は478万人(2020年6月末現在)。
画像出典元:https://www.youtube.com/watch?v=PCPyemzOrJA
YouTubeのゲーム実況チャンネルの登録者数上位ランキング。再生回数も驚くべき数字です。5~10年前には想像もできなかったことが起きています。
画像出典元:https://ytranking.net/tag/5/
ゲームの攻略方法やプレイする上でのコツを解説、アクションゲームで人並外れたスーパープレーを紹介など、ゲーム実況の中でもいくつかのジャンルに分けられます。
また、生配信で視聴者のコメントを読んだり、リクエストに応えながらプレイするなど、双方向のコミュニケーションも生まれ、ゲーム実況の楽しみ方はますます広がりを見せています。
僕もよくゲーム実況を見る1人です。
おすすめは、l0ve&目軽によるPCゲーム『The Forest』の実況動画。
人食いミュータントが生息する森林を舞台にした、サバイバルホラーゲームです。
画像出典元:https://youtu.be/TcYJgen-Sxk
実況者のコメントやリアクションも面白く、動画を見ているだけでどこか自分もプレイしている気分になるなど、実際にプレイしていなくても十分に楽しむことができます。
また、予測不可能なストーリー展開や衝撃のラストもあり、ひとつのドラマを見ているようでした。
大学生にとっては、ゲーム実況鑑賞は、もはやテレビドラマや映画、スポーツの観戦と同じような感覚になりつつあるのだと推測できます。
コンテンツ消費のキーワードは「時短」で「効率的」へ
ここまでは、接触の仕方が変化している3つのコンテンツを紹介してきました。
ここからは、複数のコンテンツに共通する見方そのものの変化を紹介します。
イマドキ大学生のコンテンツ消費は「時短」が新しい標準になっています。
YouTube、ポッドキャスト、アマゾン・プライム・ビデオなどを視聴するときに、再生速度を1.5倍速や2倍速にして見ているという大学生も多いのではないでしょうか?
最近ではサービスによっては、1.25倍、1.5倍、1.75倍、2倍と複数の再生速度が用意されており、動画の内容やセリフの聞き取りやすさに合わせて自分で好みの速度に変えることができます。
限られた時間で多くの動画を見たいという人にとっては、再生速度を自分で変えられるというのは大きなメリットですね。
画像出典元:https://news.yahoo.co.jp/articles/38e604d53ed3773f13994788a039f1714782154c
他にも「まとめ動画・まとめサイト」を利用して「時短」をしているという声もあります。
先日、『エヴァンゲリオン新劇場版』の3作品『序』『破』『Q』が公式アプリや公式YouTubeチャンネルで期間限定で無料配信されており、話題になっていました。
『エヴァンゲリオン新劇場版』は原作のTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』をリメイクしたもので、ストーリー設定が難しく、原作を全話見ていないと理解するのがなかなか難しい作品となっています。
画像出典元:https://dengekionline.com/articles/35224/
しかし、原作は30分×26話分あり、やりたいことが多く時間がない大学生にとってはなかなか時間を確保することができません。
そこで登場するのが「まとめ動画・まとめサイト」です。
「まとめ動画」なら、26話分の内容をわずか10分で理解できるようになっています。
さらに、「まとめサイト」では作品の伏線や見どころが詳細に解説されています。
こちらのサイトでは、あらすじや作品を理解するためのポイントがまるで参考書のように解説されています。
画像出典元:https://honcierge.jp/articles/shelf_story/8640
これらを見ることで、作品をより短い時間で、より効率的に楽しむことができます。イマドキ大学生にはありがたいものです。
コンテンツは「消費」から「共感のためのツール」へ
ここまで、接触の仕方が変化している3つのコンテンツ、そしてコンテンツに共通して見られる見方の変化を紹介してきました。
では、なぜこのような変化が起きているのでしょうか?
答えは、大学生にとって「エンタメコンテンツ」は「消費するモノ」から「共感するためのツール」へとシフトしているからではないかと考えられます。
つまり、コンテンツそのものが面白いという考えから、コンテンツを楽しんだことを友人をはじめとする他者と共感することが面白いという考えに変化しているということかもしれません。
これはコンテンツの作り手からすると残念な現象だと思います。例えば、アニメであればオープニングソングからエンドロールまでが1つの作品であり、ストーリー、音楽、そしてストーリーの流れるスピードも制作者が考え抜いて作ったもの。それを時短して消費するなど、作品を本当に楽しんでいるとは言えないのかもしれません。
しかし、ある人には速いと感じるものでも、別の人には遅いと感じてしまうこともあり、速度の感じ方ひとつ取っても人それぞれです。
まして、現代はコンテンツが飽和し、かつコンテンツの生産・変化のスピードも加速しています。
そのような時代の流れから、コンテンツへの接し方・コンテンツの消費の仕方がこのように変化してしまうのは仕方のないことなのかもしれません。
しかし、コンテンツへの触れ方が変化したことでエンタメコンテンツは今まで以上に身近に、そして大学生をはじめとする若者にとって重要なコミュニケーションを支える、なくてはならないツールになっているとポジティブに捉えることもできるのではないでしょうか?
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