四国水族館で単位を落とす
これも2年前の話、まだできて1年くらいの四国水族館へ行った。
時期は大学の夏休み直前の8月。テスト週間だったが、その年の前期のテストはほとんどがレポートであり、早く課題を終わらせるタイプである僕はほとんどのレポートを終えていた。
なので、友達がレポートやテスト勉強にあえぐ中で余裕をかまして先輩と瀬戸大橋を超えた。
……それが良くなかった。
決して安くはないチケットを購入して、男2人でプェングィン(ネイティブ発音)なんかを眺める。
僕はどうも、デートスポット的なところに男2人連れとか男大所帯とかで訪れてその光景のシュールさを楽しむ、よろしくない癖がある。
誰も楽しまないことを楽しむことに、エンターテインメントの種がある。多分。
自然光を取り入れる作りの水槽で、光の表れ方がとても美しい。海の底に漂うような気分に浸れる。
この日は真夏でしかもよく晴れていたので、とても綺麗に光が見えたが、曇りの日はどうなるんだろう。
というか、この日の同行人は鞆の浦や滋賀の時とは違う先輩なのだが、今回はよく晴れている。
やはり曇りの原因はあの人ではなかろうか。今年も8月に和歌山に行く予定があるので、天気が心配である。
とまれ、展示は全体的にかなり好きだった。
結構評判が悪い時けどなんでなんだろう。チケットが高いからかな。
僕は大学で博物館学芸員の資格過程をとっており、水族館も法律上博物館に入るので、経営のしんどさみたいなことを少しだけ想像できる。博物館施設はどこも経営が苦しいし、水族館なんかは出来てすぐが一番盛り上がって、年々来場者が右肩下がりになる傾向がある。
国からの支援も大した量にはならない中で、動物たちが日々生きていくための様々な費用を考えると、あの施設規模では妥当であろうと思える。
テトラポットや牡蠣の養殖を再現した人工物を使った展示も新鮮で魅力的だった。
そこまで各地の水族館に行った訳ではなくて、水族館に詳しいわけでもないのだが、こういう展示は珍しいんじゃないかな、と。
全体的に遊び心があって楽しいので、ネットの悪評判だけを見て来館を見送っていた人は、1度見てみて欲しい。
どうせなら来てからガッカリした方が得だ。
水族館によくある(というイメージがある)イルカのプールは、側面から覗くことも出来る。
連れ添って泳ぐ姿が可愛らしい。
男2人でゆっくりイルカショーなんかを眺める気はさすがに起こらなかった。面白そうだけどね。
その後は丸亀城に行く。
形としては中山城になるのかな?
急勾配の坂が多くあり、大変よろしい。先輩は途中でダウンしたが、僕は小学生の頃から失っていないキラキラとした目と心で走って登った。
博物館学芸員過程を取っているので、博物館施設である水族館へ。そして日本史専攻なので城跡へ。普通に学校に行くよりも勉強してるよ、この日。
しかし僕は忘れていた。
必修の英語のテストの存在を。というか、テストはオンラインでも受けられたんだけれど、当日中に受けなければならなかった。当日というのはつまり、水族館に行って丸亀城に行って、香川を満喫していたこの日のことである。
翌日、僕は英語の課題提出とテストについて先生に連絡し、見事に切り捨てられ、落単が確定した。
元々その先生が嫌いだった僕は自分の責任を棚上げしてその教師を徹底的にこき下ろし、後期授業でも悪態をつき続けた。
まあ翌年に単位を取り直し、無事に卒業の目処が立ったので今となっては笑い話である。
今日の話はここまで。
旅行についての話のストックも少なくなってきたので、別のネタも考えようと思う。よろしゅうに。
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