毎年届く予防接種についての質問
土日に届いた「予防接種についての質問」について、書きます。
このお2人からの質問はどんなものだったかというと、「こういう記事が流れてきたのですが、本当ですか?怖いです」というものです。
記事はどちらも別の人から流れてきた、発信元も別のものだったのですが、内容は概ね近いものでした。
昔から変わらない、「水銀と自閉症の関係」とか。
毎年、何度も届く質問です。それはとっくの昔に否定されていて・・とやってしまいそうになりますが
新しく母・父になった人からみたら、そんな”そのときそのときの否定”は耳に入っていない、ただ流れてくる情報に驚いたり不安に感じたりしているだけなのです。
ただとっくの昔に否定されたということもまた事実。
(独)医薬品医療機器総合機構で調査をし、平成21年10月、厚生労働省の安全対策調査会で報告がなされています。
WHOでも2004年にチメロサール含有ワクチンと自閉症に関しては、否定する報告を出しています。
こちらはこの件に関する個人の医師による記事ですが、必要な出典や情報がつまっています。
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読んでいるとどんどん不安になる&いわゆる自然派と呼ばれる方から繰り返し広められる情報の記事には、たいてい出典の明記はなく、出典元を見つけるのが難しいものもあります。ですが、どの事実にあたってそれを書いているのか探します。この中の、ここだけ抜き出したようですね。なんていう感じで、お答えします。
ひとつ言えることがあるとすると、記事を読んで不安でたまらなくなるようなものからは距離を置いたほうがいい。
たいていの記事は、そんな風にはできていないのです。ほとんど陰謀論と言っていい。できることなら一定の距離を置いてほしいな、と思います。
政府、厚労省、医師会、病院、製薬会社・・・それらがすべて正しいわけではまるでない。でもすべてダメなわけでも全くない。私達市民だって、一緒くたにされたらいやだろう。ひとまとめにされたら嫌でしょう。
頑張っている人もいる。こちらを向いてくれている人もいる。どこか知らん方向を見ている人もいる。呆れることもある。ちゃんとやっている組織もある。ダメなものもそりゃあある。良いところは称え、ダメな時はダメだと伝える。
だから、ひとくくりにしてダメだと糾弾しているようなものは、まずひと呼吸置いて、離れてみるのもよいと思います。
今回質問をくれた方は何度も脅されているそうなのです。まともな組織ならば人を脅すようなことはしません。善意でやっているから、いいということではありません。
今も感染パーティのようなことをしている、ということもまたその方から聞いた話でした。
こちらについては森戸先生のお話がとても優しくなおかつ必要な情報がつまっていますので、ぜひ読んでみてください。
また、以下も森戸先生の記事ですが、見たほうがいいサイトのこと等あり、こちらも読んでいただけると良いと思います。
以前、「あまさんは細い針に糸を通すようなことをしているんだね」と言われたことがあるのですが、時々、そうだなあと思います。ちっとも派手ではない、こと。
予防接種を打たずに不安を感じている人、予防接種を打っているけれど不安を感じている人、全体から見たらごくわずかです。平成30年の麻疹・風疹接種率は98%、安心していい、もう何もしなくてもいい、と思えるほど。ホッとする数字です。でも不安を感じる人を放っておいてはいけないと思うので、こんなことをしています。
どんなことでも気軽に相談してね、といつも思っています。私でわかることは答えますし、様々なサイトや本を紹介したり、どうしても(私が)納得いかないときは医師に聞いたり学会で関連の講座を受けたりしてくるので。
5年前も、書いていました。私がやっていることは、本当に変わらないのですね。
国も、誰もが一定の知識を親になり持つことが必要だと、医療のかかり方を広める取り組みを推進しています。その中には、予防接種についても、含まれています。
仕組みとして当たり前に大切なことが伝わっていくといいですね。そして、一定の知識を持った親が小児科でかかりつけ医にわからないことを聞く、そうできたらいいなと思っています。(もちろん、そうなっているところもありますー)