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政治とカネの問題から逃げない

こんにちは。天野です。

私はスクラムマスターになってからはずっと個人で活動していました。社内でも独立開業したような状態で自由にやらせてもらっていた期間が長く、社内政治やお金の話とは無縁な生活を送っていました。最近はマネージャーになり、否が応でも組織の様々な問題、いわゆる政治とカネの問題に首を突っ込むようになりました。

以前はなるべくマネジメント、特に社内政治には関わりたくないと考えていましたが、最近は、スクラムマスターはもっと積極的に「政治とカネの問題」に関わるべきと考えるようになりました。

今日は、スクラムマスターとして政治とカネの問題にどのように向き合うべきか考えてみたいと思います。


組織を動かすには直接的な権限と影響力が必要

スクラムマスターとして活動する以上、組織をすっかりアジャイルにすることが目標になります。完璧な理想は存在しませんが、そこに向けて日々たゆまぬ努力を続ける姿勢をもたらす責任がスクラムマスターにはあります。

スクラムマスターの活動を長い組織変革の道のりとすると、その過程では必ず組織のルールを変えたり、お金の使い方を決めたりする必要が出てきます。組織に対する直接的な権限がないと変えられないことは多く、ここから目を背けてしまうと、スクラムマスターの活動はボランティア活動の域を出ません。

組織に直接的な変更を加えるには、最低でも権限を持った人の信頼を得る必要があります。自分自身が直接責任と権限を担うポジションになれば、より積極的に変化を推進できる立場になります。

権限を持つだけでなく、適切な影響力を持つことも重要です。影響力を持たずに権限を行使してばかりだと、裸の王様になってしまいます。影響力のある人とは、権限に頼ることなく、あるべき姿を示し、周囲の声に耳を傾け、共感と協力を得られる人です。

建設的な批判を組織に組み込む

スクラムマスターとして政治とカネの問題に関わるとは、組織の中で物事を決めるあらゆる議論に、スクラムマスターの観点で口を挟むことだと思います。「スクラムマスターの観点」とは、長期的な視点に立ち、目標達成に貢献しながらもメンバーの成長や幸福を犠牲にしない、より自分たちの理想のあり方に近づける意思決定を支えることです。

日々の組織運営に関わるメンバーは、どうしても短期的な目標と効率によった判断になりがちですが、それが悪いとは思いません。不足しがちな長期的な視点を補い、より良い意思決定に繋げることが我々スクラムマスターの責任だと思います。

長期的な視点に立ったフィードバックを建設的な批判とするにはバランスが難しいところで、組織の決定にいちいち横槍を入れてくる人にも見えてしまいます。ですが、組織として見た時に、各所で行われる意思決定について、常に建設的な批判がされる状態を作ることは非常に重要です。

実行責任を負う人がいるのと同時に、正しく実行されているかを監視する機能も重要です。建設的な批判者として振る舞ったり、他のメンバーがそのように振る舞えるような仕組みを考えることが、スクラムマスターが「政治とカネの問題」に向き合う活動だと考えています。

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