組織をアジャイルにする活動の終着点はどこなのか
こんにちは。天野です。
組織をアジャイルにする活動は終わりのない旅のようなものです。私もスクラムマスターになって以来その旅をずっと続けています。自チームから始め、隣のチーム・プロダクト、隣の部署、本部全体と少しずつ範囲を広げながら、最近は組織に対しておぼろげながら「最終的にこんな状態までは実現できそう」といったイメージを持てるようになりました。
そして、組織をアジャイルする活動の終着点はどこなのだろうとも考えるようになりました。今日は、組織をアジャイルにする活動の終着点について思いを馳せてみたいと思います。
アジャイルな組織とは何なのか
我々が追い求めているアジャイルな組織とは何なのでしょうか。一般的にアジャイルな組織とは、変化に迅速に適応し、柔軟に対応できる特性を持つ組織のことを指します。ですが、これはあまりにも一般的すぎてもはやお題目のような説明です。
実感を踏まえて自分なりにアジャイルな組織をChatGPTに説明してまとめてもらったものがこちらです:
『アジャイルな組織とは、組織のパーパスに基づいた高い理想と行動規範を持ち、強固な文化的基盤を築くことで、その存在意義を実現し続ける集団です。このような組織では、透明性が確保されたプロセスや仕組みが整備され、検査と適応を可能にするための組織構造、役割、会議体が機能しています。現状に満足することなく、メンバー全員が高い理想に向けて努力を惜しまず、自己改善を追求する姿勢を持っています。結果として、アジャイルな組織は市場において高い競争力を発揮し、そこで働くメンバーの幸福度も向上しています。この相乗効果こそが、アジャイルの真価と言えるでしょう。』
だいぶ詳細な記述になりました。上記のような価値基準や姿勢が日々の行動で広く実践されているのが私なりの「アジャイルな組織」のイメージです。
理想は誰が持つのか
先述の「アジャイルな組織」という理想を持ち、そこへ近づけるために現状に働きかけるのがスクラムマスターです。とはいえ、スクラムマスターが高い理想を持っていたとしても、その理想に共感してくれるメンバーがいないと実現は困難です。
組織の理想を設定するのは組織の代表者です。通常は代表取締役になるでしょう。規模の大きい組織では部署や事業部のトップになるかも知れません。アジャイルな組織で必要とされるアジャイルの度合いは、組織の代表者が持つ理想のあり方によって決まります。
組織の代表が組織の理想(パーパス)を持ち、理想の実現のために必要だと願う範囲でできる限りの実践を重ねることが、我々の達成できる「アジャイルな組織」の終着点のひとつだと思います。
現在の理想よりも高い理想を持つことを支援し、その実現方法を考えるということで実践の段階を次のステップに進めることも考えられますが、組織で実現しうるアジャイルの度合いはやはり組織の代表者が持つ理想によって決まると考えます。
1人のスクラムマスターとして理想をどこに置くか
理想は組織の代表者が持つと述べましたが、組織の代表に「組織の理想の達成のために手を尽くしていますか?」と聞いたら、ほとんどの人は「YES」と答えるでしょう。むしろ「NO」と答える人なんているのかと思ってしまう質問です。
組織の理想は組織の代表者によって決まりますが、その理想を実現するために日々どのような行動・実践を重ねるかは、我々スクラムマスターが自分で決める必要があります。つまり、組織の代表が決める組織の理想があった上で、我々が決める「アジャイルな組織」の理想があるのです。
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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。