お客さんに納期を約束せず、ビジネスと開発が対立しないようにする

こんにちは。天野です。

開発チームでスクラムやアジャイルに取り組んでいる一方で、営業や社長がお客さんと「○月中にその機能開発します」と約束をしてしまい、納期駆動開発が全然解消しないという悩みをよく聞きます。

今日は、納期駆動開発を避けながら、ビジネス・開発間で対立を生まないよう意識しているポイントをまとめます。

納期とスコープを固定すると低品質&残業が常態化する

荒ぶる四天王で知られているように、納期とスコープを固定すると、実質的に調整できる余地がほぼなくなってしまいます。

予算を追加してメンバーを増員しても短期的には開発速度が低下し、大人数になるとチームの効果も下がります。品質を下げるとしても、プロダクトに求められる外部品質は変わりませんし、内部品質を犠牲にすると長期的には致命的な負債を抱えることになります。

品質を犠牲にすることでソフトウェア開発のスピードは上がるのか? 和田卓人氏による 「質とスピード」(前編)。デブサミ2020 - Publickey

お客さんとの約束によって納期とスコープを固定すると、結果的にプロジェクト内での調整の余地がなくなってしまい、低い品質のままひたすら残業を繰り返すような開発に陥りがちです。

この理屈は、アジャイル開発に関わる人なら一度は聞いたことがあると思います。

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