Q&A:複数チームでの振る舞い、ファシリテーションスキル、不確実性耐性

こんにちは。天野です。

本マガジンの法人プランのお客様は、Slackチャンネルでの相談ついでに社内のコミュニティ勉強会に参加させていただくこともあります。先日の勉強会では過去の記事について質問をいただいたのですが、今回は別の話が盛り上がって回答し切れませんでした。せっかくなので、答えられなかった質問と回答をこちらに書きます。あわせて他の読者のみなさんの参考になれば幸いです。


スクラムマスターとして複数チームを見るときの振る舞い方

記事:

質問:

  • マネージャーになる前に複数チームのスクラムマスターというのは確かに経験してもらうと視座が1段階上がると感じた

  • 複数チームのスクラムマスターだと、スクラムイベントの参加の感じはどうなるのか?

回答:

「複数チームのスクラムマスター」という表現はいくつか解釈の幅がありそうなので、一旦考えられるものを並べます。

  1. 一人のスクラムマスターが複数チームのスクラムマスターを担う(チームを兼務する)

  2. 主担当となる自チームのスクラムマスターを担い、同時に近隣のチームの状況を気にかけ適宜メンバーの相談に乗ったりマネージャーと連携する

  3. 特定のチームに所属せず、組織内を横断的に支援する

1と2の違いは、2は隣のチームのスクラムマスターではありませんがチームのためになることをする、という点です。3はアジャイルコーチやマネージャーに近い立ち位置になります。

スクラムチームとして複数チームを見るというと、1のように複数チームのスクラムマスターを担うイメージをよく持ちますが、本記事での「隣のチームを気にかける」とは、1よりも2のイメージでした。

個人的に1の複数チーム兼務は最初の選択肢にしないようにしています。これをすると、2つ目以降のチームでは「うちのチームのスクラムマスターは◯◯さんです」と言えるようになってしまい、そのチームからスクラムマスター(の責務を担おうとリーダーシップを発揮する人)が生まれなくなるためです。

さて本題の複数チームのスクラムマスターのスクラムイベントの参加の仕方ですが、スクラムマスターとしてもっとも価値を提供できるイベントを選んで参加するのが良いと思います。最近調子の悪いチームがあればそのチームを優先したり、事業上重要性の高いミッションを持っているチームを優先することもあると思います。組織の生み出す成果を最大化するために、スクラムマスターとしてどこに働きかけるべきか判断します。

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