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A Theory of Scrum Team Effectivenessがめちゃくちゃ面白かった
こんにちは。天野です。
先日、おしげ監督にこちらの記事を教えてもらいました。
著者の Christiaan Verwijs さんはゾンビスクラムサバイバルガイドの著者でもあります。こちらの記事はGoogle Scholarで検索した科学的研究からアジャイルチームに関する知見をまとめたもので、記事中で紹介されている論文のひとつに A Theory of Scrum Team Effectiveness がありました。
この論文は RSGT2024 のプロポーザルで bonotake さんが紹介していることを思い出しました。
自分も過去いくつかチームワークに関する論文を読んでまとめた経緯があり、とても強い関心を持ったのでこちらの論文を読んでみることにしました。
査読済のACM版があるようだったので、そちらを読みました。50ページ超の大ボリュームのため、DeepLとChatGPTを使って読んでみました。
すべてが興味深く、気づいたら最後までじっくり読み込んでいました。ざっくりと論文の内容を紹介しつつ感想をまとめます。
概要
ChatGPTで要約したものを一部手直しして紹介します。
どのScrumチームが上手くいくかの理由を説明する完全な理論はなかった。そこで、7年間の研究を行い、上手くいくScrumチームの特徴を5つの高次要因と13の低次要因で説明したモデルを作った。たくさんのデータを使ってこのモデルが正しいかを確認し、結果はよかった。この研究で、上手くいくScrumチームの理由を知ることができ、どうサポートすればよいかのアドバイスも出せた。
リサーチクエスチョン
本論文では、冒頭で問い(リサーチクエスチョン:RQ)を2つ立てています。
RQ 1:スクラムチームの有効性を決定する重要な要因はどれか?
RQ 2:スクラムチームの理論モデルはどの程度一般化可能か?
リサーチデザイン
そして、リサーチクエスチョンに答えを出すために次のような2つのフェーズからなるアプローチを取っています。
![](https://assets.st-note.com/img/1696130270082-5e59aUAIoO.png?width=1200)
フェーズ1では、13の異なるケースでスクラムチームを観察し、観察結果を既存の文献と組み合わせて、RQ1の目的である重要な要因について仮説を導き出します。
フェーズ2では、異なる環境からの多数のスクラムチームを対象に、構造方程式モデリング(SEM)という方法を用いて、中立的な研究環境で仮説となる理論モデルをテストしすることで、RQ2の目的である一般化可能かどうかを検証します。
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ありがとうございます。書籍代に使ったり、僕の周りの人が少し幸せになる使い道を考えたいと思います。