#24給食当番の大切さ
生徒指導は何でも怒らないといけない叱らないといけないという取り組みではありません。日々の積み重ねが生徒指導であり、日々の声かけが生徒指導だと思います。
1日の中で大切なこと大切な取り組みは何かといわれると、私は給食の時間だと思っています。
エプロンマスク三角巾をしっかりつけて班のメンバーと協力して給食当番をすることができ、また給食当番以外の生徒も全員で協力して教室の給食の準備をすることができる。しかもできるだけ早くに。これがとても難しいんです。
手っ取り早く生徒に意識を向けさせることができるのがタイムです。毎日時間を計って「今日は◯分にできた」「今日は昨日より◯分遅かった」のようなことを言って刺激を与える方法です。ちなみに私はこれのやり方については大反対です。目的が全く違うものになるからです。
上記のようなタイム制で取り組むと、ただの競争になってしまい、ある程度タイムが頭打ちすると、その競争を面白がっていた生徒たちは飽きてしまってやらなくなるので、返って逆効果になります。もしタイム制を導入するのであれば、頭打ちしてからが本番なのではないかなと思います。部活動の指導と同じで、やり始めの楽しいから積み上げてきたものを披露することの楽しさへの変換器と同じような感覚なので、やり続けないといけない内容になります。もちろん指導者も根気強く、粘り強く言い続けないといけないですし、やらせ続けないといけないと思っています。これには伴奏者という立ち位置が少し強制的な状況を作らないといけないような雰囲気になり、指導側である教師の労力は計り知れないですし、子供たちも全員が全員その競技者のような考えは無いので、疑問を抱く生徒も増えてくると思います。クラスの生徒全員に同じ方向を向けさせることができるのであれば、その方法も間違ってないのかなと思いますが、私には到底不可能なことだと思っているので、私はこの方法には手をつけないと思います。
ではどのような目的で給食を取り組めば良いのだろうか、私はキャリア教育の一環だという話をずっと子どもたちにしています。
給食当番はチームプレイです。仕事はチームですることが多いので、給食はそんな力をつける時間だという話をします。またエプロン、マスク、三角巾をつけるのは、その仕事のコンセプトであるため、コンセプトから逸脱した動きは会社にとって不利益を被るという話をし、ルールを守ることの大切さを伝えます。もちろんエプロン、マスク、三角巾は衛生上しっかりしないといけないということも教えるので、教師も同時につけて取り組みます。子どもだから、大人だからというような認識でエプロンをつけるつけないを線引きしてしまうと、子どもが疑問に思うからです。
次に給食当番を手伝っている人も、いわゆるウェイターの役割を担っています。これも仕事です。それぞれの食器の置き方なんかも配慮しなさいと伝えています。もちろん明確な答えはないです。ただそのチームの生産性をどれだけ上げることができるのか。ここにフォーカスさせています。
するとやらない子が出てきます。この子たちはいわゆる消費者です。サービスを提供してもらっている消費者なので、対価を支払わないといけないということを常に伝えています。これも選択の1つなので強制はしないんですが昨今の不景気などの話をして、いかに節約が大切かなどの話も朝の会や終わりの会の時間に伝えていきます。その上で消費者の立場を選択するのであればいいのかなと私は思っています。
消費者がいることで、給食当番やウェイターの立場の人たちはイライラしていきます。
「なぜあの子はやらないの」
「自分の分は自分でさせようぜ」
そんな言葉が飛び交います。そんな言葉を聞いたらチャンスなんです。
ここで全体やその子個人に消費者の話をきっちりしておきます。もちろん手伝わない人達に消費者の話を先に伝えてから伝えます。提供者と消費者の立場をお話しして、あなたはどちらを選択するかという伝え方をします。
もちろん、将来のことを考えると、消費者にも稼ぐ人はいます。むしろ消費者の立場の方がより稼ぐ立場かもしれません。あらゆることをお金で解決し、できた時間を使って新たな仕事に励む。本当に稼ぐ人はそれができる人なんでしょうが、これには"運"も必要ですしなかなか難しいのかなと私は思っています。ましてやそれを支える人の気持ちなんかも理解しておかないといけない。そんな話をすると、将来消費者の立場にはなりたいが、それには様々なスキルが必要だということを認識し、給食を手伝いするようになってくれるのかなと思っています。
まとめると
・エプロンマスク三角巾をつけなければいけないのは衛生面ということだけではなく、会社のコンセプトという意味合いもある
・給食当番以外の人もウエイターという立場である
・仕事をしないという事は消費者であり、それは対価を払わないといけない立ち位置だということ
・仕事はチームで取り組むことが多いということ
まとめるとこんな感じかなと思います。
あくまで私も発展途上で、まだまだ納得しきれていない部分もあるんですが、給食はキャリア教育だという認識を持ち出してから徐々に給食指導が楽しくなってきています。
皆さんもよければキャリア教育の一環として給食指導をしてみてください。
長い文を読んでくださりありがとうございました。