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South/iSland物語
第一章
はじまりの物語
5、仕事二日目(烈光version)
❶田んぼ▲
「おい・・・なんやねんなー!」いつもの大阪弁はじゅうおう。
「え・・・だから,田んぼなんじゃない?」仲のいいのはマークツー。
「どこがや!ただの泥沼ちゃうかー」
「はっはっはーその通り!」
「マーキュリアスさん。その通りって・・・」
「どうやら,近所のおばあちゃんが使っていない田んぼを貸してくれるんだとさ」
「あれ,はくりゅーさん。詳しいですね」
「マークツー君。ここの交渉をしたのは実は,うちの兄でしてね」
「あんまりムダ話してっと日が暮れるぜ」
「あっクラウンさん。今日の仕事内容決まりましたか?」
「もちろん,草取り。根っこまでキレイに取れってよ」
「・・・」絶句。
❶
「だーーーーぁつー」
「なんだお前,もうばてやがったのか」クラウン23歳が苦笑しながらじゅうおう15歳に聞くと
「こないなトコで草取りばっかしとったら、ホンマ死ぬわ!」
「マークツー15歳を見てみろよ、アイツは平気な顔してるぜ」
「いや,平気ってことはないけど,だってほら,ぼくは南出身だからさ」
「暑い時は暑い,それでいいんだよ。はっはっは!」元気にマーキュリー19歳も答えた。
「早く戻らないと,お昼御飯を全部食べられてしまいますよ。あっちにはあの三人がいますからね」はくりゅー18歳の指摘ももっともだ。
❶
「ちょっと待ったー!」そう言いながら,おにぎりに向かってジャーンプしたが
『必殺ハエ叩き!!』
「ぐはー!」
「お,おかみさん」マークツーは立ちすくんでしまった。
「じゅうおう死す,ですね」はくりゅーはあきれて物が言えないようだ。
「つまみ食いはダメっていってるでしょ!」表れたのは社長夫人の夕姫=シラクサである。
「すんません,すんません,すんません」
「クラウンさん,ぼくはこの子をどかしとくよ。はっはっは」
「どわー何すんねん!」
「はっはっは気にしない気にしない」マーキュリーはそう言って,頭上にじゅうおうを持ち上げてクルクル回して見せた。
❶
おにぎり,卵焼き,エビフライ
「ばくばく,うめー!ばく。し,死むー」
「入れすぎじゃーボケ!」
社長夫人・・・強えー。