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South/iSland物語

SP篇

えぴそーど⑳ 力持ちのアスとパソコン係ジムの関係
 

 おいの名前はジュピタリアスといいます。みんなからはアスと呼ばれております。響きがよくて、おいも気に入っているんですよ。なぜ、こう呼ばれるようになったのか・・・聞きたいですか?―――お教えしましょう。
 このSPグループという会社に来るまで、おいは2年間、アルバイト生活で日々を暮らしていました。その2年の間、いろいろなことがありました。

 そういえば、印象深かった出来事が1つ。ジムJrとの出会いでした。その時、おいは電気店でアルバイトをしていました。そこの電気店は時給がとてもよくて、店長さんも優しい人で、店も上々だったし・・・あっこんなことは置いといて・・・えー何をお話していましたっけなあ。そうそう、ジムとの出会いのこと。ジムはそこのお店の常連客でした。いつも何かを一生懸命見ていました。おいは何日間かは黙って見ていたんですが、やっぱり気になって仕方がありませんでした。
ある日、声を掛けるのに絶好のチャンスがやってきました。ジムが店員さんを探していて、ちょうどおいしか、いなかった時です。
「すみません。あの、これを買いたいんですけど・・・」
ジムがこれと指を差しながら言った物は、古い型のパソコンでした。
「あっはい。じゃ、レジまで、おいが・・・いや私が運びましょう。」
「助かります。」
沈黙のまま、レジへと向かいました。このときは何も話さず店員とお客さんの関係でした。

 半年後・・・ジムとばったり会いました。驚きました。何と「SPグループ」の第1回説明会会場というのも驚きの一部でした。そもそもSPグループというものは魚の養殖をする会社のことで、応募広告でも「南の島で魚を育ててみませんか??」と書いてありました。

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