South/iSland物語
えぴそーど23 初仕事の巻 ~ぷろろーぐ~
「それでは、明日の、稚魚の受け入れの分担を話し合いましょうか。」
と社長が切り出して、話し合いが始まった。集まったメンバーは、役員以外には、班長のたいちょーと将軍、それに副班長のクラウンと武者、そして、ジムと巨砲の合計8人。
なぜ8人かというと、専務と顧問はただいま、稚魚の引き取りに出かけているからなのだ。社長はさらに続けて、
「明日の担当は二班ですね。白龍君と武者君が中心になってがんばってくれな。」
「は、はい。」
「まあ、私たちも手伝いますから、気楽にやったらいいよ。」
と将軍も声をかける。1班は一回目の受け入れの時に経験している。その時、2班はまだ、家の整理などをしていて、手伝えなかった。
「いや、うちのは、ほら、問題が多いからさ・・・。何が起きるか心配なんですよ。」
とたいちょーはまだ、やや不安な様子。そりゃそうだ。
(さて、やんちゃ坊主三人組をどうするか、どうなるか、ってところだな。)と思いながらたいちょーは二班の家に戻っていった。そして、晩御飯を食べ終わった二班のメンツを食堂に集めて、明日の報告をする。
「明日はいよいよ、俺たちの出番だから今日は早く寝ておけよ。集合時刻は7時半だからその前に朝食と準備を終わらせておくこと。」
「え゛ー!!!」
「えー、じゃねーいっつもそれぐらいに起きてるだろが。」
「イヤー言ってみたかっただけっス。」
とはくちゃんが答えると、そうそう、というようにバーンナイトとガンタンクが肯いてい
る。気を取り直して、
「仕事内容は、昼間、話したとおりだから。いいな。」
「ほーい!」元気に返事をするので逆に不安になって、
「ガンちゃん、本当にわかってんのかいな?」と尋ねてみる。
「お、たいちょー、オイラたちを疑ってるねー。」
「正確にはお前ら三人を疑ってるんだけどな。」
「オレたちのことかのう?」とバーンナイトが不思議そうに聞く。
「そうみたいっスよ。」
はあーと大きなため息をついて、頭に手を当てながら、たいちょーは考え込んでしまった。
「心配だ。」
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