田中圭さんを好きになったわたしの話
私が田中圭さんに沼落ちしたのは2018年。
おっさんずラブの放送が終わり暫く経った後の事だった。
ワイドなショーという番組で東野さんが『おっさんずラブ』が面白いと語っていたのがきっかけで配信を観てみると、かつて何度も好きになりかけていた田中圭さんがすっかり大人になっていて、ありとあらゆる表情や仕草で私を魅了してくるのだ。
困った顔や泣き顔がわたしの中の母性という扉を開けまくって閉じさせてくれない。
私はそれを何度も何度も繰り返し見ては田中圭の演じる春田に心底惚れていった。
春田のようにいられたらどんなに幸せだろうと考えて彼の行動を真似したりした。
大きな声で挨拶する事、感謝の気持ちを表す事、人を好きになる事。
(バスから降りる時や買い物の後にもちゃんと声に出してお礼をするなど)
そんな事をしていくうちに私の周りで変化が起こった。
会社の上司から「うちの奥さんが雨音さんが最近綺麗になった」って言ってるよと声をかけられた事があった。
それまで頭からつま先まで固形石鹸で洗っていたような私が、自分の誕生日にメイクレッスンに申し込んでメイクの基礎を習いに行った頃だった。
田中圭に会えるはずなんてないのに、何だかちゃんとお化粧をしたいと思ったのだ。
化粧をしてお洒落をすると少し背筋がシャンとする。
明るく挨拶をすると気持ちのいいお返しが来る。
そんな相乗効果を身をもって感じた。
私はこれまでも芸能人やモデルを好きになる事が何度かあったが、これまで私が好きになる人たちは素のトークが残念な人が多かった。
バラエティをみて「あぁイメージと違う」とゲンナリするような人。
しかしながら田中圭さんというお方は素も素敵なのだ。
バラエティ番組で笑いを取るためブンブン腕を回している訳でもなく、とっても楽しそうにしているのも好印象。
ノリが良く空気が読めて結果的に笑いをとってくれるし、大きな声で良く笑う姿はその番組丸ごとハッピーな空気で包んでくれる。
そこから気づいたら田中圭を検索する日々が始まった。
過去作品を見るためにありとあらゆる配信サービスの無料体験を申し込み、少しずつ知らなかった時間を埋めていった。
完全に沼落ちしたのは田中圭24時間テレビ。
共演者をつねに気遣い盛り上げて、役に入れば完璧で、監督への意見の伝え方も実にスマート。
1番過酷なはずなのにいつ見ても顔が良くて性格がいい。
1ミリだって嫌な一面が無かった。
ドラマの編集が間に合わず放送時間が延長になる事を知った圭さんが長台詞を覚える時間を裂いて画面に出て来て言った言葉が最終打だった。
ことの顛末を聞いた圭さんは、ドラマの編集の大変さを代弁したうえで「皆んなと一緒にいられる時間が増えた」と言いました。
それはそれは明るく爽やかに言いました。
周りにいる人全員が確実にピリついているであろうあの状況で発した圭さんの言葉はとても優しくて温かくて凍ったような空気を一気に解かしてくれたような気がする。
あの瞬間に私は完全に田中圭に堕ちきった。
堕ちていた私の身体をグッと沼の奥に押し込められたような出来事だった。
圭さんの事をもっと知るために私は特典映像のあるDVDを集めだした。
メイキングに収まる圭さんはいつだって自然体で共演者から愛されているムードメーカーだ。
例えば『ランウェイ☆ビート』のメイキング。
クランクインの時は圭さんは友達役の1人みたいな扱いだったのに、時を経て共演者から愛し弄られ主演なの?というぐらいメイキングを盛り上げているのだ。
ゆる〜っとしているようで周りをきっと見ているのだろう。
監督からの指示の受け入れ方はスマートで、監督に意見を出す時の言葉の使い方や態度など、意見は言うが相手の意見をしっかり受け入れる。
その塩梅がなんとも上手くて、心底惚れ込んでしまう。
例えば劇場版びったれ!!!のメイキング。
監督からの指示を納得出来ていないような森カンナちゃんに気づいた圭さんは、カンナちゃんの思いをしっかりと汲み取った上で監督と3人で話し合っていた。
監督もカンナちゃんもどちらを否定するわけでもなくその場をすごく綺麗にまとめていた。
そんなこんなで私はもう何度も沼の底に突き落とされてそろそろブラジルからこんにちはするのではないかと思っている。
私は圭さんの人となりに心底惚れ込み尊敬し、私の方が随分歳上なのにもう圭くんなんて呼べないほどにリスペクトしているのだ。
職場で人との付き合いに困った時、悩んだ時、いつだって田中圭を降臨させてきた。
前職は社員の管理の仕事をしていたのだが、以前なら見て見ぬふりしていたような事、巻き込まれたら仕事が倍になるような事や、面倒になりそうなことも声をかけるようになった。
社員のまとまりが悪いと感じれば「私は座長」をおまじないのように唱えてきた。
そうする事で自分も周りにも驚く程の変化があった。
部下からほんの少しは慕われるようになったし、人と笑い合うことが多くなった。
おかげで毎日楽しくて笑いすぎて涙が出る日々だった。
最終的に私は少し昇進もした。
結果的には副責任者として180名以上のメンバーを支える事になった。
上司が私をそのポジションに選んだ理由は「抱え込まず、人に仕事を与えるのが上手い」だった。
決して私は立派な人間ではないし、ポンコツ界のなかでは上位に君臨するほどのドジな女だ。
職場ではポンコツポジティブという異名も持っていた。
ポンコツなのにポジティブな上司など私は信用できないが…
わたしの周りにいた優秀な人たちはもの凄い勢いで成長していったのだ。
春田の真似をしたり、圭さんのようになりたいと思い日々過ごして来た私。
関西に引っ越す事が決まり、14年間勤めた会社を辞める時にもらった花束はとても明るい色をしていて
「スーパーポジティブで太陽みたいなイメージだから」と選んでくれたことがすごく嬉しかった。
ちょうど『おっさんずラブ-リターンズ-』で春田が和泉さんに「陽だまりのような人」と言われていたそんな時だった。
まだまだ、全然、圭さんのような愛に溢れた人にはなれてないけれど、少しは近づけたかな?
そんな風に思うと嬉しかった。
いま私は別の道を歩んでいます。
圭さんのファンミーティングに行った後にやっぱりやってみよう、頑張ろうと思えた仕事。
まだまだ慣れず苦しい毎日だけど、何度も何度もこの雑誌の圭さんの言葉に勇気をもらって頑張っています。
いつも私たちの未来を明るく照らしてくれて、だけど眩しすぎず、時々振り向いては、大丈夫だよ〜って手を差し伸べてくれるような圭さんが大好きです。
圭さんがくれたハッピーを私もたくさん返していけますように。
ずっとずっと応援させてください。
2024年11月11日、たくさんの感謝を込めて。
雨音