『SDガンダム Gジェネレーション』について

『SDガンダム Gジェネレーション』(通称「無印」「初代」)は1998年に発売されたSLGだ。プレイヤーは二頭身にデフォルメされたガンダムをはじめとするシリーズの機体ユニットを操作して『逆襲のシャア』までの宇宙世紀のストーリーを再現したステージを攻略する。各ステージには敵軍ユニットの他にプレイヤーが操作できる『機動戦士ガンダム』のシナリオステージならホワイトベース部隊、『第08MS小隊』なら08小隊等のゲスト軍ユニットが配置される。頑張ればゲスト軍だけでクリアすることも可能らしいが、このゲームの醍醐味はプレイヤーの自軍ユニットの育成と編成にある。

ユニットは資金による生産リストからの生産、ステージでの敵軍ユニットの鹵獲、ステージクリア後のゲスト軍の志願兵ユニットの自軍加入によって入手できる。さらに特定の二つの自軍ユニットを所持していれば設計によって生産リストに新しい機体を登録でき、また自軍ユニットのレベルを最大にすることで新しい機体へと開発できる。たいていのプレイヤーは最初の編成が加入した連邦軍の戦闘機セイバーフィッシュと鹵獲したジオン軍のザクⅡF型の混成部隊となり、セイバーフィッシュとザクⅡで早速設計できると思ったらガトルかなんかでがっかりしたと思う。

プレイヤーが管理する自軍ユニットとゲスト軍ユニットの大きな違いに撃破時の扱いがある。例えばゲスト軍ユニットのアムロのガンダムが撃破されても次のアムロのガンダムの出番があるステージでは何事もなかったように登場するが、プレイヤーの自軍ユニットが撃破されると自軍リストから消滅して使用できなくなる。自軍は撃破されないよう大事に扱う一方でゲスト軍の、特に名無し部隊は敵の反撃前提の削り要員、あるいは鉄砲玉要員として散っていった。悲しいけどこれ戦争なのよね。そういう雑な扱いをしておいてステージクリア時に生存していると嬉しいもので、今風に例えると『MS IGLOO』のラストでヨーツンヘイムに帰還するヅダとオッゴに第603技術試験隊所属ではない名無しのザクⅡやゲルググが合流している場面だが、マッチポンプ感慨だった。

本作は後続作品と比較すると難しい。最終ステージをクリアするまで後続作品では可能なクリア済みのステージでのレベル上げができないからだ。宇宙のステージが連続しているからといって宇宙でしか出撃できない機体の育成にばかり注力していたら、急に地上や水上水中のステージが来て型落ちの機体さえ持っていないためにまともな編成ができず詰んでしまったという人はそこそこいると思う。私も詰みこそはしなかったが『機動戦士Ζガンダム』編に入って遂にジオングを開発した次のステージからしばらく地上戦となったため数合わせにグフやドムを出す羽目になったり、見た感じでノイエ・ジールに至るのではないかとドラッツェのレベルを上げる等の無駄な行動が後にじわじわと響いて苦労した。

自軍初のガンキャノンはガウ三隻の空爆によってコアファイター諸共に爆散した。コウ・ウラキのGP01のデータと自軍のドムのデータから設計、生産したプロトタイプリックディアスは燃費劣悪なハイパービームサーベルでザクやドムを一刀両断し、キリマンジャロではケンプファーとNT-1がサイコガンダムのビーム砲の射程の内側に肉薄した。グリプス戦役終盤ではエゥーゴのジオングがオールレンジ攻撃でティターンズを蹂躙し、サイコガンダムMk-IIただ一機のためにコロニーレーザーが発射された。長谷川裕一ガンダムみたいだと思う。

当然グラフィックは最新作のそれと比べると見劣りするし、ロードは長くテンポは悪い。そもそもじっくり腰を据えてプレイするジャンルのゲームなので気軽に勧められるものではないが、OPとBD1号機対イフリート改のムービーはめちゃくちゃかっこいいので機会があれば見てほしい。OPは機体のチョイスが素晴らしい。Gジェネレーションがどういうゲームなのかが詰まっている。曲の盛り上がりにメタスの出撃とザメルの砲撃持ってくるところがニクいし、今見直したらおそらくグレイファントムの周囲に展開した部隊のFAガンダムの目の前の崖下からアプサラスが急上昇してモノアイ光らせながらメガ粒子砲発射にかかる場面もよかった。