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月曜日からの脱出 3

「縁日からの脱出」/ アドベンチャー

主人公は、あなたであったかもしれない。縁日の音が鳴り止まない。この脱出ゲームをしながら、私はそんなことを思いました。どこからか聞こえてくる笛の音、太鼓の音…。そんな淡い音を聞きながら、謎を解く脱出ゲームです。

まず、グラフィックに関して、やはり安定のアドベンチャーさんです。色合いがレトロで、水彩っぽくて、ちょっと油断すると消え入りそうな感じがたまりません。。「青いリンゴ飴」がとてもかわゆい🍏(これはみどり)

そしてストーリー。ある女の子が「ある縁日」に迷い込んで出られなくなり、そこから、協力者の男の子と一緒にその不思議な縁日を脱出していくお話です。怖いお話ではありません。ただ…このストーリーのエンドは2つあります。その2つ目のルートを出すのもまた楽しくて最高なのですが、私はエンド自体に感動してしまいました。

まず、お祭りってどうしてまた、「不思議な雰囲気」なんて言葉がこんなにもすっぱり場所なのでしょうか。子どもの頃、初めて「お祭り」と聞いたときから、私はワクワクしていたような気がします。

宗教的な切り口からそれを説明する人もきっといるでしょうが、それを否定はしません。けれど、私は「人が集まる」ところに「神秘的」が起因するのでは?と考えます。それはもちろんお祭りに限ったことではなく…。何か「今居る場所」以外の、次元が紛れ込んでしまう感覚。人が集まるところであれば、不思議ではないですよね。

そして、エンドではそういう「紛れ込んだ何か」を感じさせる状況があるのですが…。つくづく、違う次元や時代をを行き来するような物語には、切ない別れやまさかの巡り合わせがつきものだなと思います。次元や時代が違うからこそ、「結びつき」というものが顕著に、尊く感じられるからでしょうか?さらに言えば、その物語での別れは、お葬式なんて決別のための時間もありはしない、短く絶対的なお別れであることを意味するからでしょうか。

「二度と会えない」かもしれないこと、これは大いに、様々な決断を鈍らせる…気がしています。
もちろん、ゲームであればエンドは2つとも見ることが出来るけれど…いや、きっとゲームの中ですら、登場人物たちにとってはパラレルワールドでしかないのでしょう。

…そんなことまで思わず考えるような、ストーリーの良い脱出ゲームでした。

謎も、かなりちょうど良い難易度です。大きな謎はひとステージにつき1つですが、何回も画面をタップすることが大変意味を持つ、可憐な謎になっております。

あなたは、お祭りから帰ることができるでしょうか?


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