鬼灯の実で 奏でる!boo❣️
お盆でお供えした鬼灯。捨て難くて取っておいたのだが、突然思い出したことがあった。
幼い頃、母に教えてもらった「ほおずき鳴らし」だ。
今になっては、不衛生とか毒性もあるなんて事で「遊びなんて持っての他!」と言われてしまうが、当時の母は、「真愛ちゃんのオネショが治るから」と言われて、鬼灯鳴らしをやった事を思い出した。
まず、鬼灯の外側の皮を開く。
すると、中から丸い可愛い実が出てくる。
その実を指で摘んでグリグリと押し回すと、中の種が柔らかくなる。
身の薄皮が破けないように気長に柔らかくして、中から種を上手に抜く。
大体その時に失敗してしまい、実を食べることになる。真愛は、良く失敗して結構な数を食べていた。味は、酸っぱいマンゴーのような味。嫌いではなかった。
オネショが治るっていうのも魅力があった。
今夜は、チャーちゃんも付き合ってくれた。
最終的には、爪楊枝を使ってそうっとタネを抜いた。
ちょっと切れたけど、可愛い鬼灯笛が出来た。
膨らましたまま穴を舌に当て、上顎に押し付けるように、穴から空気を漏らしていくと、
ーgugu boo Q…。ー
と音がする。
厚洋さんもやったことがあると言って2人で競い合った事を思い出した。
彼の方が上手で、「もっと修行せい!」と言われて、さくらんぼの茎(花しょう)「舌で結ぶ訓練をしたことがある。
後で聞いたら「キスが上手になるんだって」と言われて驚いた。
海鬼灯も鳴らした。丹波鬼灯なんて名前のものもあった気がする。
鳴らしながら、雑学博士の厚洋さんは
「鬼灯って、本当は毒なんだよ。女の人にはね。」と話してくれた。
地下茎や根は酸漿根(さんしょうこん)という生薬。
ナス科植物で微量のアルカロイドが含まれている。特に酸漿根の部分には子宮の緊縮作用があって、流産してしまうことがあるそうだ。
知らないで食べてた。
そりゃ「boo」と鳴らさなくちゃいけない。
しかし、むかしは、鎮静剤として利用されていた。咳や痰、解熱、冷え性などに効果があり全草を干して煎じて飲む風習もあったらしい。
また、江戸時代には堕胎剤として利用されていたというのでアルカロイドは怖いものだ。
何年か前の「入谷の鬼灯市」のものだ。
厚洋さんは、浅草の三社祭・朝顔市・鬼灯市・御酉様が好きで、必ずお土産を買ってきてくれた。
「真愛が喜ぶ事は、ずっと続けてくれた。」
浅草寺の「ほおずき市」毎年7月9日、7月10日に開催される御縁日さまだ。
浅草寺では古くから観音様の縁日が開かれていたが、室町時代以降に「功徳日」の風習が加わり、特に7月10日には千日分の功徳が得られるといわれた。今は「四万六千日」(46,000日分の御利益の意味)と呼ばれるようになったそうだ。
真愛の母は、深川の人なので厚洋さんのお土産を大喜びで待っていた。
嫁の母親の喜ぶ顔を想像して、この田舎までホオズキをぶら下げてくるなんて、優しい人だったのだ。
いや、こんな田舎でも「江戸っ子がいらぁ。」と、粋を気取ったのかもしれない。
いつも作務衣でお参りに行ったから…。
お仏壇の上の方に鬼灯が飾ってあるのが分かるだろうか。
真愛も「日本文化の伝承」が大事だと思う。 母や厚洋さんの考え方で、育てられてきたからだろう。
日本の仏教習俗であるお盆では、ガクに包まれたホオズキの果実を死者の霊を導く提灯に見立て、枝付きで精霊棚(盆棚)に飾る。
ほおずきに「鬼灯」の字を当てるのは、盆に先祖が帰ってくるとき目印となる提灯の代わりとして飾られたことに由来するらしい。
ハローウィンのジャコランタンみたいだ。
どこの世界でも黄泉の国は、(闇の国)なのだろうか。提灯や蝋燭がないと歩けないらしい。
お盆には真愛が大好きなスイカを買ってきて、丸ごとくり抜いて食べて、スイカのお化けを作ってくれた。(食べたのは真愛。)
「スイカ好きだろう?」
って言われても、半分はちょっとと思いながら
「うん。ありがとう。」
って食べて、お腹を壊したこともあった。
懐かしい事を突然思い出す。
その思い出に必ず厚洋さんが関わっている事に気づいた。
その時に、彼が何を思っていたのかは、真愛の勝手な解釈だが、常に「私を思いやってくれていた」事に帰着する。
切ないほど暖かい思い出に包まれている
真愛だ!
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります